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天平時代
「天平時代〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天平時代の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ロマネスク」より 著者:太宰治
くれでもち肌であった。眼はあくまでも細く、口鬚《くちひげ》がたらりと生えていた。
天平時代の仏像の顔であって、しかも股間の逸物《いちもつ》まで古風にだらりとふやけ....
「伸子」より 著者:宮本百合子
と云い、大どかな眉と云い、領巾《ひれ》をかついだ服の様子と云い、所謂《いわゆる》
天平時代の風俗そっくりであった。そればかりではない。一面に咲き乱れた花の愛らしい....
「Liber Studiorum」より 著者:寺田寅彦
堅気な男女にまで波及して来たのだとすると、これはかなり容易ならぬ事かもしれない。
天平時代の日本の都の男女はやはりこういうふうにして唐や新羅のタイプに化して行った....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
幸にも、私の生れ合せたこの時代位動くものの無数が発達し発明された事はあるまい。
天平時代から徳川末期に至る年月において、日本では雲助以上に動くものを発明されては....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
と同じ必要から、機械はまた組立てられて行く。ここに軍艦がある。まず、昔|天平仏が
天平時代の必要から製造され、法隆寺が完全な姿において現出した理由と同じ理由から、....
「茶色っぽい町」より 著者:宮本百合子
た――)そこで、水芸の後に、めずらしくイタリー女のハアプ弾奏を聴いた。日本では、
天平時代の絵で見るぎり、今でもハアプは数尠い楽器の一つだから、ましてその頃は珍ら....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
大様《おおよう》な気もちで、朝の食事をすませて、食堂を出た。 午後、海竜王寺にて
天平時代の遺物だという転害門《てがいもん》から、まず歩き出して、法蓮《ほうれん》....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。 例えばバクー大学にスキタイ文化の遺跡の集められたものがあって、これは日本の
天平時代の美術と全く通じます。支那を通って日本に入ったのですが。タシケントの手前....
「緑色の太陽」より 著者:高村光太郎
味いたい。僕はいかにも日本の仏らしい藤原時代の仏像と外国趣味の許多に加わっている
天平時代の仏像とを比較して、“LOCAL COLOUR”の意味から前者を取る事は....
「車中有感」より 著者:上村松園
考案されたのであろうが、姉の顔立ちと言い、妹の顔立ちと言い、横から眺めていると、
天平時代の上※をみている感じで、とても清楚な趣きを示しているのであった。 色の....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
明が出来上ったのであります。而してこの臨邑が一番日本に関係があったのであります。
天平時代にここから出て来た人がある、仏哲という人であります。この仏哲という人は臨....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
云った。その和炭に対して炭竈で蒸し焼きに焼いた炭を荒炭と云い、荒炭和炭の名は既に
天平時代の正倉院文書に往々見えている。石器時代の貝塚などからもしばしば木炭が発見....
「民族優勢説の危険」より 著者:新渡戸稲造
は、その作者が如何なる点まで大和民族であったかということである。なるほどその後の
天平時代になってはこの点に関しよほど確実なる証拠も出るそうだが、それは天平以前の....
「蝸牛の角」より 著者:和辻哲郎
においても失われなかった。天皇は、宇宙を支配せる「道」の代表者或いは象徴である。
天平時代の詔勅にしばしば現われているごとく、天皇の位を充たされる個人としては、謙....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
ノ庄を出るときから泰文の道連れになっていたのである。 肉置《ししお》きのいい、
天平時代の直流のような豊満な肉体をもち、よく頭のまわる、聡明な女だったが、当代の....