天引き[語句情報] »
天引き
「天引き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天引きの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
屋へ誘った。 「よかろう」波田は、懐中の三円――その月末には二割の利子で月給から
天引きされるところの借金――をおさえながら叫んだ。 皆はそろって出かけた。出が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
からは二十五両の金包みが下がったのであるが、狡猾な平助はまずそのうちから十五両を
天引きにしてしまって、残りの十両を又蔵と二人で山分けにしたのであった。 「これだ....
「わが町」より 著者:織田作之助
性ゆえ、種吉は年中貧乏し、毎日高利貸が出はいりした。百円借りて、三十日借りの利息
天引きで、六十円しかはいらず、日が暮れると、自転車で来て、その日の売り上げをさら....
「石油の都バクーへ」より 著者:宮本百合子
が沢山ある。当時の石油会社は、そういう土地の上へ労働者長屋を建て、家賃は給料から
天引きにして住まわせた。木造の長屋が古くなって、地中から洩れる瓦斯が建物の内部へ....
「婦人大会にお集りの皆様へ」より 著者:宮本百合子
力不足は、税とも関係があるのだそうです。勤労所得税は五千円以上になると、賃銀から
天引きされる率があんまりひどいから、鉱山に働く人々は、五千円以内に自分の賃銀をと....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
で十円だから、相当な給料だ。三休と五忘は時に貧窮して、ベク助に金をかりる。すると
天引き二割、月の利息二割で貸しつける。とりたてはきびしい。ベク助は大望があるから....
「かもめ」より 著者:神西清
活は辛いですよ。月に二十三ルーブリしか貰ってないのに、そのなかから、退職積立金を
天引きされるんですからね。それだって僕は、喪服なんか着ませんぜ。(ふたり腰をおろ....