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「天性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
れにはいったが、それでも苦しい目にあう事は、以前と少しも変わりがない。白痴に近い天性を持って生まれた彼女にも、苦しみを、苦しみとして感じる心はある。阿濃《あこぎ....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
もせよ釈迦《しゃか》の教である。ある仏蘭西《フランス》のジェスウイットによれば、天性|奸智《かんち》に富んだ釈迦は、支那《シナ》各地を遊歴しながら、阿弥陀《あみ....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
説明しきれる場合は稀有に属する。私の場合は四十パーセントがあやしい。これは自分の天性の劣弱なことにもよるが、もっと大きな原因は我々が古色蒼然たる言論蔑視の倫理に....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
あとの一人の母、それだから省作はもう母にかけてはばかに気が弱い。のみならず省作は天性あまり強く我を張る質でない。今母にこう言いつめられると、それでは自分が少し無....
去年」より 著者:伊藤左千夫
ている。そういう君の心理が僕のこころでどうしても考え得られないのだ。しからば君は天性冷淡な人かとみれば、またけっしてそうでないことを僕は知っている。君は先年長男....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
れを「あまり茶気があり過ぎる」と笑うかもしれないが、われわれはまた西洋の諸君には天性「茶気がない」と思うかもしれないではないか。 東西両大陸が互いに奇警な批評....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
も捨て置かれず、ついに暇を出すことになったが、だんだん聞いてみると、それは一種の天性で別に怪しい者ではないのであった。 このほかにも、南方へ出征の大将たちは、....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
蝋という位、酷いものだが、それを売りに来る男で歌吉というのがあった。これがまた、天性の美音で「蝋燭で御座いかな」と踊るような身ぶりをして売って歩いたが、馬喰町の....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
集まって来た。判官びいきの人たちはその反動から競争者の富子を憎んだ。雛吉が俄かに天性の美音を失ったのは、富子が水銀剤を飲ませたのであると言い触らすものもあった。....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
映画のことなら何でもよいから見計いで書けという命令であるが、私は天性頭脳朦朧、言語不明瞭、文章曖昧、挙動不審の人物であるからたちまちはたとばかり....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
し時勢が一変し、順風に帆を揚げたような伊藤の運勢が下り坂に向ったのを看取すると、天性の覇気が脱線して桁を外れた変態生活に横流した。椿岳の生活の理想は俗世間に凱歌....
二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
る島村抱月君もまた恐らくこの種の葛藤を属々繰返されるだろう。 この殆んど第二の天性となった東洋的思想の傾向と近代思想の理解との衝突は啻に文学に対してのみならず....
西航日録」より 著者:井上円了
の妙を得、音曲に和してこれを誦するに、いかなる日本人も一驚を喫せざるはなし。その天性、言語の才に富めるや実に驚くべし。これを当港名物の第一とす。よって余戯に、 ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
でしょう。またそれより進んで自分以外のものの選定に自分の天分の見わけ方や、自分の天性が欲する生涯の選択を任すのは、自分に本当に忠実なものとはいえません。結局が自....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
った。ところがナポレオン着任当時のイタリア軍の状態は甚だ不良で、ナポレオンがその天性を発揮して大活躍をしても整理は容易な事でなかった。 ナポレオン着任当時、マ....