天晴[語句情報] » 天晴

「天晴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天晴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
によって予が眼からは恋慕三昧《れんぼざんまい》に日を送った業平《なりひら》こそ、天晴《あっぱれ》知識じゃ。われらも穢土《えど》の衆苦を去って、常寂光《じょうじゃ....
高野聖」より 著者:泉鏡花
するのを、婦人《おんな》は優しゅう扶《たす》け起して、 (おお、よくしたねえ。)天晴《あっぱれ》といいたそうな顔色《かおつき》で、 (貴僧《あなた》、申せば何で....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ているじゃありませんか、お茶台に茶碗を伏せる人は、貴下|嫌だもの、父様も。」 「天晴れ御鑑定、本阿弥でいらっしゃる。」と急須子をあける。 「誰方なの?」 「御存....
天守物語」より 著者:泉鏡花
し。 図書 存じも寄らぬ御たまもの、姫君に向い、御辞退はかえって失礼。余り尊い、天晴な御兜。 夫人 金銀は堆けれど、そんなにいい細工ではありません。しかし、武田....
南地心中」より 著者:泉鏡花
ったも同じ事。 額の疵は、その烏帽子に、金剛石を飾ったような光が映す……おお、天晴なお婿はん。 さあ、お嫁はん、お酌しょうな。」 と軽く云ったが、艶麗に、....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ますでしょうか。」 「何が、間違いです。誰が間違いだと云いました。とんでもない、天晴れじゃありませんか。」 「私の父は、この土地のものなんです。」 「ああ、成程....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
て、心織筆耕の花を咲かせ、綾なす霞を靉靆かせた。 若手の作者よ、小説家よ!……天晴れ、と一つ煽いでやろうと、扇子を片手に、当時文界の老将軍――佐久良藩の碩儒で....
縁結び」より 著者:泉鏡花
れ、愛嬌の露もしっとりと、ものあわれに俯向いたその姿、片手に文箱を捧げぬばかり、天晴、風采、池田の宿より朝顔が参って候。 謙造は、一目見て、紛うべくもあらず、....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
り。眉|凜々しく眼の鮮なる、水の流るるごときを、まじろぎもせで、正面に向いたる、天晴快き見得なるかな。 囃子の音|止み寂然となりぬ。粛然として身を返して、三の....
露肆」より 著者:泉鏡花
をぎろぎろと光らせながら、憎体な口振で、歯磨を売る。 二三軒隣では、人品骨柄、天晴、黒縮緬の羽織でも着せたいのが、悲愴なる声を揚げて、殆ど歎願に及ぶ。 「どう....
良夜」より 著者:饗庭篁村
て、この所ばかりか近郷の褒め草。ある時、県令学校を巡廻あり。予が講義を聴かれて「天晴慧しき子かな、これまで巡廻せし学校生徒のうちに比べる者なし」と校長に語られた....
式部小路」より 著者:泉鏡花
向うへ放れたと思うと、たちまち颯と茜を浴びて、衣の綾が見る見る鮮麗に濃くなった。天晴夕雲の紅に彩られつと見えたのは、塀に溢るるむらもみじ、垣根を繞る小流にも金襴....
註文帳」より 著者:泉鏡花
極じゃて。 お連合の今の後室が、忘れずに、大事にかけてござらっしゃる、お心懸も天晴なり、来歴づきでお宝物にされた鏡はまた錦の袋入。こいつも可いわい。その研手に....
活人形」より 著者:泉鏡花
け来りて、この座敷の縁の下に潜みており、散々|藪蚊に責められながら、疼痛を堪うる天晴豪傑、かくてあるうち黄昏れて、森の中暗うなりつる頃、白衣を着けたる一人の婦人....
西航日録」より 著者:井上円了
ぼらけひかる雲間に雪山を見る 余、幼学詩韻的詩をもってこれに和す。 鶏声残月暁天晴、霞気浮紅日欲生、四面冥濛人未起、雪峰独帯旭光明。 (鶏の声となごりの月に夜....