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天機
「天機〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天機の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「HUMAN LOST」より 著者:太宰治
よ》きを知れ。キリストの嫋々《じょうじょう》の威厳をこそ学べ。」 他は、なし。
天機は、もらすべからず。 (四日、亡父命日。) 五日。 逢....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
よい廓《さと》の女は身の毛がよだって早々に帰って来た。しかし綾衣にむかって正直に
天機を洩らすのを憚《はばか》って、今度の病気だけのうらないを報告しておいた。それ....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
持は免かれぬものを、無二の友達とは云え、父方の縁続きとは云え、迂濶《うかつ》には
天機を洩《も》らしがたい。宗近の言《こと》は継母に対するわが心の底を見んための鎌....
「源氏物語」より 著者:紫式部
のとった処置は腑に落ちぬことに思召して、中将をお呼びになってお尋ねがあった。 「
天機よろしくはありませんでした。ですから世間の人も心の中でまずいことに思うことだ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
を真実ととりはしなかったろうが、今後の処置をどう決したか? ということはしばらく
天機《てんき》のうちに存するとして。
また、栄三郎が左膳の手紙を取り落として、....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
の何だの切れはしを拾ひあつめてマンマとお客に食はせてしまふ。そこは哲学者だから、
天機もらすべからず、腹心のマダム、女給にも口をぬぐつて、ひそかによろしくやり、毎....
「魔像」より 著者:林不忘
》しておるとのことじゃ」 「ふふむ。何を協議しておるのかな」 「それはわからぬ。
天機《てんき》洩《も》らすべからずだそうだ」 「ふふう、あの老人連中と来た日には....
「にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
はもう、青葉に風が光る初夏の候であった。 京都所司代酒井若狭守忠義は、月並みの
天機奉伺として参内した。ご用談が、予定以上に長くなって、灯がつく頃になっても禁裡....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
一、
天機|洩《も》らすべからず花合戦の駆引き。駘蕩《たいとう》たる紺碧の波に浮ぶ、こ....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
るも貴兄これを用い給わばこれもめでたき事なり。 右等の事総て俗人に言うなかれ。
天機|漏洩の恐れあり。あなかしこ。明治二十九年三月十七日。病子規。虚子兄几下。」....
「三国志」より 著者:吉川英治
、その時をのがしたら、またいつ巡ってくるか知れないものです。――何やら、今はその
天機が巡ってきているような気がするのです。些細な気持などにとらわれずに、お誘いを....
「三国志」より 著者:吉川英治
いるとあります。必定、都下は手薄とならざるを得ません。わが君、この時に起たれて、
天機に応じ、虚をついて、一せいに都へ攻め入り給わば、必勝は火をみるよりも明らかで....
「三国志」より 著者:吉川英治
というので、たいへん人々に羨まれていますが、そのことあって以来管輅は、われ誤って
天機を人界に洩らすの罪大なりと、自らふかくおそれつつしみ、以来、誰が何といっても....
「三国志」より 著者:吉川英治
元来自分などの及ぶところではないのだから」 孔明は成都に還ると、すぐ参内して、
天機を奉伺し、帝劉禅へこう奏した。 「いったい如何なる大事が出来て、かくにわかに....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
中将どの」 「や、千種どのか」 「ご快気の由、めでたい。今朝、出陣と聞しめされ、
天機もことのほかお麗しく拝された。尊氏の首をみる御殊勲の日をお待ち申すぞ」 「お....