天涯孤独[語句情報] » 天涯孤独

「天涯孤独〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天涯孤独の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
祖母の手に育てられたが、中学校三年生の時にたった一人の肉親のその祖母もなくなり、天涯孤独となった身は放浪生活に馴染み易く、どこへ勤めても尻が落ちつかず、いまだに....
世相」より 著者:織田作之助
た私は、親戚の家を居候して歩いたり下宿やアパートを転々と変えたりして来たためか、天涯孤独の身が放浪に馴染み易く、毎夜の大阪の盛り場歩きもふと放浪者じみていたので....
脳の中の麗人」より 著者:海野十三
いうアパートに入った。 彼は、親には早く死にわかれ、兄弟もなければ妻子もなく、天涯孤独の身の上だった。財産だけは、親譲りで相当のものが残されていた。毎月の末に....
丹下左膳」より 著者:林不忘
左膳にしても、です。 武士《さむらい》てえものがフツフツ嫌になり、文字どおり天涯孤独の一剣居士、青天井の下に筵をはって世間的なことはいっさい御免と、まくらに....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
学の、芸能の、ことに寄席の救いがなかったら、良家に生まれてその家が潰れ、思春期に天涯孤独の身となった自分は、今時分薄志の不良青年となり、与三郎同様、佐渡送りにで....
電報」より 著者:織田作之助
隊長であった人の遺児であるからそう名づけたのであろう。父中隊長の戦死後その少年が天涯孤独になったのを三人が引き取って共同で育てているのだ。 三人は毎朝里村千代....
私はかうして死んだ!」より 著者:平林初之輔
を見ると何ともなしに涙が出た。 私は、雪を払い落として位牌の文字を読んだ。 『天涯孤独信士』 裏には、「俗名船井三郎、享年三十六歳云々」としてあった。 私....
四つの都」より 著者:織田作之助
死して、あたし一人ぽっちになったでしょう、それでもって私のこと心配して、あなたは天涯孤独だからといって、慰めたり励ましたりして下さるんだけど……。あの人の顔見る....