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天火
「天火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天火の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
蛇頭天に属す、また竜王身光り憂流迦《うるか》といい、ここには天狗と言う〉。日本で
天火、英国で火竜《ファイアドレーク》と言い、大きな隕石《いんせき》が飛び吼《ほ》....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
たが、天の咎《とが》めを免れず、乱心して自分の奸曲を国中に触れ廻り、死後その屍を
天火に焼かれ、跡は化物屋敷になったという事で、譚中に茶の十徳の事は一つも見えぬ。....
「モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
しまった。――バング! 肉入饅頭《ピローシュカ》売りがきた。彼が胸からつるした
天火のゆげが、ドアの煽りでちった。同時に肉入饅頭《ピローシュカ》の温い匂いも湯気....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
ん屋、てんぷら屋、煎豆屋、とかっかっぐらぐらと、煮立て、蒸立て、焼立てて、それが
天火に曝されているんだからね――びっしょり汗になったのが、お庇ですっかり冷くなっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
はし申すべし、若し慾情に迷ひ其儘捨て置かば、組合の者共一々烈風の折柄《をりから》
天火を以て降らし、風上より焼立て申すべく、其節に至り隣町の者共、火災差起り難渋に....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
なたが、越前の方においでになる遠い路をば、手繰りよせてそれを畳んで、焼いてしまう
天火でもあればいい。そうしたならあなたを引き戻すことが出来ましょう、という程の歌....
「お父さん」より 著者:林芙美子
る これも金井君のうたったもの。僕はこんなのはつくれない。 「君、いまはね、
天火のかまをつくってるんだよ。うまくパンが焼けそうなんだよ」 「何でもよく製造す....
「古木」より 著者:豊島与志雄
した。 秋になると、椎の実が落ちました。まだ歯の丈夫な祖母は、椎の実が好きで、
天火で炒って食べました。祖母が亡くなってからは、子供たちはもう椎の実も拾わず、そ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
い。それでいてその折読みさしていた書中の条下はよく覚えている。その一章には「人火
天火」という小みだしがある。それがはっきりと思い出される。 この書の訳者は老母....
「枯尾花」より 著者:関根黙庵
日旅館の主人に当夜の恐怖談をすると、彼は微笑して嘲るかの如き口吻で、由来伊勢には
天火が多い、阿漕の浦の入口に柳山と云う所がある、此処に石の五重の塔があって、この....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
に去り、灼熱の太陽は地を埋める熱灰のほてりとの間に私たちをはさんで、浦上はまるで
天火のかまどである。昨日炎を逃れ、死の手を脱し、無我夢中で突っ走った人々は、やれ....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
飯のご馳走をお母さんがいったいどんなにして作るのかしらとお台所をのぞいては、その
天火や泡立ち器などの巧みな使い方に驚き喜びかつ感謝する子供のごとく赤くなり首をす....