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天産
「天産〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天産の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
国にも、友人バサー博士ら、人民をして土地に安着せしめんとならば、その土地の事歴と
天産物に通暁せしむるを要すとて、野外博物館《フィールドミュゼウム》を諸地方に設く....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
まいという。諸種の毛織り物、羅紗、精巧な「びいどろ」、「ぎやまん」の器、その他の
天産および人工に係る珍品をヨーロッパからもシャムからも東インド地方からも輸入して....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
を研究して、見事に成功した。そして、日本樟脳は、一斤五円にまで激落してしまった。
天産に乏しい日本として、科学の発達をさせて、無より有を生じさす以外に、方法の無い....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
く、韋紐の信者多き地にはその像に逢わずに咫尺《しせき》も歩み得ず、これに供うるは
天産物のみで血牲を用いず、猴野生する処へは日々飯菓等の食物を持ち往き養い最大功徳....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
海とは違って、亜米利加《アメリカ》へ近づくほど海賊が少ないのです、土地が豊かで、
天産物が多く、そうして、人間の数が少なければ、人は人の物を奪わずとも、天与の物資....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
となった。しかしその生産力は、昔も今も少しも変りなく、やはり昔の通り気候も良く、
天産物が豊富であるにかかわらず、その昔の主人公たりし印度人が貧乏になって、裸足で....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
ではどうしたらよかろうか? 当分の間我々には、地下の世界の財宝を諦らめ、この
天産の無限に多い島その物の開拓に従事すべきではありますまいか。そうして緩々その間....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
は考えられぬものにも、手を着けておるが、こういう理化学品を、どんどん作るほかに、
天産物に乏しいこの国の福利を計る方法は無い。然し、世の中は、大船を造ることさえ禁....
「姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
唐黍の果粒が含む濃淡な滋汁が、油と融け合い清涼の味、溢れるばかりであった。季節の
天産を、わが手に割烹するほど快きはないのである。友の家庭に潜むこの情味を、羨まし....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
した訳はどうかとたずねてみれば、それは初め先ず明治三年(1870)出版の博物館、
天産部、植物類の『博物館列品目録』に「サルヲガセ、松蘿《ショウラ》 Usnea ....
「寒桜の話」より 著者:牧野富太郎
出の深い一樹であるからである。 明治から大正へかけて、私は一度右の帝室博物館の
天産部に兼勤していたことがあった。それはむろん大震災の前であった。その時分には上....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
たにみえるのは、伯東港の上にそびえる峰であった。) 九、南米東部客中 堪衣、
天産蔵無尽、奈何人住稀。 (九、南米東部客中 驚くべきことに南米の地は、至ると....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
のである。 それから今一つ、これはもう少し古いかと思う名がある。越後は『新潟県
天産誌』を見ると、土地によって薺に色々の名があって、その中にはダラまたは巾着とい....
「由布院行」より 著者:中谷宇吉郎
が籠《かご》一杯とれるのにと残念がってくれた。 永く隔絶されていた土地だけに、
天産物は豊かだった。六年前に来た時、例の汚い宿で、金鱗湖の鯉《こい》は名物である....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
間に存在する自然の理法など知る者は、調理人にはひとりもないようである。せっかくの
天産物も、無知のためにもったいなく殺してしまうか、余計なことをして、愚にもつかぬ....