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「天産物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天産物の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
国にも、友人バサー博士ら、人民をして土地に安着せしめんとならば、その土地の事歴と天産物に通暁せしむるを要すとて、野外博物館《フィールドミュゼウム》を諸地方に設く....
十二支考」より 著者:南方熊楠
く、韋紐の信者多き地にはその像に逢わずに咫尺《しせき》も歩み得ず、これに供うるは天産物のみで血牲を用いず、猴野生する処へは日々飯菓等の食物を持ち往き養い最大功徳....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
海とは違って、亜米利加《アメリカ》へ近づくほど海賊が少ないのです、土地が豊かで、天産物が多く、そうして、人間の数が少なければ、人は人の物を奪わずとも、天与の物資....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
となった。しかしその生産力は、昔も今も少しも変りなく、やはり昔の通り気候も良く、天産物が豊富であるにかかわらず、その昔の主人公たりし印度人が貧乏になって、裸足で....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
た。 まず住宅が作られた。 各自愉快に生活した。 予想にも増してこの島には天産物が豊富にあった。規則正しい労働と、この時代の文明から推してきわめて進んだ設....
女坑主」より 著者:夢野久作
コ人や、アラビア人……思い切った奴は黒ん坊に化けて、かの方面の有利な天産と、その天産物に涎を流して働きかけている白人連中の勢力を探っていたんです。今に日本の勢力....
南国太平記」より 著者:直木三十五
は考えられぬものにも、手を着けておるが、こういう理化学品を、どんどん作るほかに、天産物に乏しいこの国の福利を計る方法は無い。然し、世の中は、大船を造ることさえ禁....
三国志」より 著者:吉川英治
二十八も年下だし、玄徳とくらべても、二十二も若い当主である。 それと、南方は、天産物や交通にめぐまれているので期せずして、人と知識はここに集まった。文化、産業....
由布院行」より 著者:中谷宇吉郎
が籠《かご》一杯とれるのにと残念がってくれた。 永く隔絶されていた土地だけに、天産物は豊かだった。六年前に来た時、例の汚い宿で、金鱗湖の鯉《こい》は名物である....
料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
間に存在する自然の理法など知る者は、調理人にはひとりもないようである。せっかくの天産物も、無知のためにもったいなく殺してしまうか、余計なことをして、愚にもつかぬ....