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天目
「天目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「苦悩の年鑑」より 著者:太宰治
持ち出したのだろう。関ヶ原だってよさそうなものだ。天王山を間違えたのかどうだか、
天目山などと言う将軍も出て来た。
天目山なら話にならない。実にそれは不可解な譬《た....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
は三階の新築で上等は浴衣《ゆかた》をかして、流しをつけて八銭で済む。その上に女が
天目《てんもく》へ茶を載《の》せて出す。おれはいつでも上等へはいった。すると四十....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
縄は去月二十日を以て地上部隊が玉砕し、二十六日にはそれが発表された。「天王山だ、
天目山だ、これこそ本土決戦の関ケ原だ」といわれた沖縄が失陥したのだ。国民は、もう....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の注目を惹くべき出来事であった。第一回は歌舞伎座で開かれて、わたしが第一の史劇「
天目山」二幕を書いた。そのほかには、かの「日蓮辻説法」も上演された。これが私の劇....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
った事は事実らしいが、必ずしも武田家を想わざる小人輩とは為し難い。長坂は、勝頼と
天目山に最期を共にして居るのである。跡部もとにかく
天目山迄は同行しているのである....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
恒は忠義無類として知られていた。 後年勝頼が四方に敗れ小山田信茂には裏切られ、
天目山で自尽した時、諸将ほとんど離散した中に、惣蔵一人|己が子を殺し、二心なきを....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
説が出ました。御岳《みたけ》の奥、金峰山がよかろうというものもありました。或いは
天目山を推薦するものもありました。少し飛び離れて駒ヶ岳を指定するものもありました....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
す。 「どうも危ねえ」 がんりきはその横道を先に立って行きました。これは多分、
天目山の方へ行かるべき路であろうと思われます。 八州の捕方《とりかた》を避けて....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
為う事なさの退屈しのぎから、茶器弄りをさえさせるようになったのだった。 茶碗は
天目だった。紺青色の釉のなかに宝玉のような九曜星の美しい花紋が茶碗の肌一面に光っ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
みてはいかがでござるな」 「笹子を越えるのはチト億劫《おっくう》だが、しかしまだ
天目山《てんもくざん》の古戦場を初め、あの辺には見ておきたいと思ってその機会《お....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
い》であります。標高千四百五十|米突《メートル》の大菩薩嶺を左にしては、小金沢、
天目山、笹子峠がつづきます。それをまた右にしては鶏冠山《けいかんざん》、牛王院山....
「露肆」より 著者:泉鏡花
の達磨。 目ばかり黒い、けばけばしく真赤な禅入を、木兎引の木兎、で三寸ばかりの
天目台、すくすくとある上へ、大は小児の握拳、小さいのは団栗ぐらいな処まで、ずらり....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
か最大級の美とかは、阿片のように罪なものだ。と」 その時一人のお小姓が、恭しく
天目を捧げながら、襖をあけて入って来た。 小姓を見ると碩寿翁は「おやッ」とばか....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
祟ったのである。ある夜壺は音楽を奏した。これが勝頼にはこんなように聞こえた。 「
天目山へ埋めろ!
天目山へ埋めろ!」 さすがの勝頼も気味悪くなり、侍臣をして天....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
かぬわ、さあ菓子も挾んではやらぬから勝手に摘んでくれ、と高坏推しやりてみずからも
天目取り上げ喉を湿したまい、面白い話というも桑門の老僧らにはそうたくさんないもの....