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天真爛漫
「天真爛漫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天真爛漫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
承知していた。しかし一《ひ》と見識《けんしき》ある彼の特長として、自分にはそれが
天真爛漫《てんしんらんまん》の子供らしく見えたり、または玉のように玲瓏《れいろう....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
らしさが優り、秀子は愛らしさよりも美しさが優って居るとでもいうのでしょう、一方は
天真爛漫の美で、一方は研《みが》ける丈研き揚げた美という者です、是だけの違いは有....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ホホホホ」 僕はコップを撫でまわしながら、静かに口に持っていった。深夜の天使は
天真爛漫に笑いつづけている。…… そのとき何となく外が騒々しくなってきた。 「....
「海底大陸」より 著者:海野十三
めすところにしたがっている。 三千夫少年は、たいへん心配している。子供のように
天真爛漫な性格の持主であるロロー殿下を、捜索隊の人々がふみにじりはしないだろうか....
「悟浄出世」より 著者:中島敦
》し奉り、その力で、水から出て人間となりかわることができた。そうして、勇敢にして
天真爛漫《てんしんらんまん》な聖天大聖《せいてんたいせい》孫悟空《そんごくう》や....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
あった。 彼女の顔は前のときよりも、いっそうはっきりと現われた。そうして、彼は
天真爛漫な柔和な娘の表情に、いたく心を打たれた。こんな性質を彼女が持っていようと....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
して了いました。 が、私としては天狗さんの力量に驚くよりも、寧しろその飽くまで
天真爛漫な無邪気さに感服して了いました。 『あんな鹿爪らしい顔をしているくせに、....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
いであろう。この顔の中でいちばん強くアリョーシャの心を打ったのは、その子供らしく
天真爛漫《てんしんらんまん》な表情であった。彼女は子供のような眼つきをして、何か....
「牛乳と馬」より 著者:豊島与志雄
行のうちには、なにか普通の作法に外れたようなところがあり、それが傲慢から来るのか
天真爛漫から来るのかは分らないが、悪心はないように見えるのだった。それで、わたし....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
。涅槃に達しても、男子は男子であり、女子は女子である。女性はあくまで女性としての
天真爛漫であって、男性らしくならなければ、中性になるのでもない。女性としての心霊....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
ないわ。ねえ、シネマへ行きましょうよ。」 時には、妖婦のように色っぽく、時には
天真爛漫の子供のように無邪気な美和子を、美沢は持ち扱いながら、結局……妖婦らしい....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
殺害者の掴んだ手のあとを、まざまざと見せたまま! ひどい人殺しもあるものだ、あの
天真爛漫な、罪もない子を殺すなんて! かわいそうな坊や! 僕らの慰めはたった一つ....
「アイヌ神謡集」より 著者:作者不詳
序 その昔この広い北海道は,私たちの先祖の自由の天地でありました.
天真爛漫な稚児の様に,美しい大自然に抱擁されてのんびりと楽しく生活していた彼等は....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
、貧乏人の娘が汚ない扮装をして怯めず臆せず平気な顔をしているのを虚栄に俘われない
天真爛漫と解釈したり、飛んでもない見当違いをする事が度々であった。 同じ見当違....
「特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
ようになった事を忘れてはならぬ。彼らは実に社会における継子である。無垢無邪気なる
天真爛漫の可憐の児童も、邪見無慈悲なる継母の手に大きくなっては、時にいわゆる継子....