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天眼通
「天眼通〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天眼通の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
しでせえ、首をひねったんだからね。ところが、聞いてみると、まったく右門のだんなの
天眼通にゃ驚き入るじゃござんせんかい。孫太郎虫の元締めは越中屋新右衛門のはずだ、....
「明暗」より 著者:夏目漱石
伴侶《つれ》を顧みた。中折《なかおれ》の人は仕方なしに「ああ」と答えた。
この
天眼通《てんがんつう》に苦笑を禁じ得なかった津田は、それぎり会話を切り上げようと....
「伸子」より 著者:宮本百合子
。それに、 「今頃きっと吉見さんはそちらだろうと思っていました。どうです、私の
天眼通は偉いものでしょう」 とある。二人で読み、笑った。素子は三日いて帰京した....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
茶にまた舌打しながら、円い茶の子を口の端へ持って行くと、さあらぬ方を見ていながら
天眼通でもある事か、逸疾くぎろりと見附けて、 「やあ、石を噛りゃあがる。」 小....
「田舎風なヒューモレスク」より 著者:宮本百合子
人があるかも知れないという状態はせいそうだ。私の想像はいやに活々して来た。まるで
天眼通を授かったように、血なまぐさい光景の細目まで、歴然と目の前にえがかれて来た....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
はこのお方の一と方ならぬ導きによりて、辛くも心の闇から救い上げられ、尚おその上に
天眼通その他の能力を仕込まれて、ドーやらこちらの世界で一人立ちができるようになっ....
「餅のタタリ」より 著者:坂口安吾
は小なる個人の抗弁の余地はありッこない。敵には農学博士どころか理学者もおればまた
天眼通や何が現れるか見当がつかないのである。 助六は悲憤の涙をのんでわが家へ帰....
「握った手」より 著者:坂口安吾
リと手玉にとるコンタンのように見受けられたのである。そのアゲクとして彼女はすでに
天眼通の如くに胸の秘奥を見当てる力があるらしいと脅威する向きもあり、その反対に、....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
をガチャつかせた。 「異議なしときまれば、これから船内の捜査だ。どこへ隠しても、
天眼通大和の眼力、必ず探しだしてみせるからな」 今村、清松、八十吉の部屋から順....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
何がまた口惜くって、あの花瓶を打欠いたんです。」 「もう見て来たのか、迅いなあ、
天眼通だ。……あれはね、何、買う時から打壊すつもりだったんだよ。あの絵に、秋草の....