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天眼鏡
「天眼鏡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天眼鏡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
ら》をかいて、児雷也《じらいや》が魔法か何か使っているところや、顔より大きそうな
天眼鏡《てんがんきょう》を持った白い髯の爺さんが、唐机《とうづくえ》の前に坐って....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んど》や大道易者の店も相当にならんでいた。易者は筮竹《ぜいちく》を襟にさし、手に
天眼鏡を持ってなにか勿体らしい講釈をしていると、その前にうつむいて熱心に耳を傾け....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
っている筈だぞ。そうして、白ばっくれてここの家へたずねて来た……。どうだ、おれの
天眼鏡に陰《くも》りはあるめえ。来年から大道うらないを始めるから贔屓にしてくれ。....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
する所で見るのが宜いので、貴方とは親御の時分から別懇にした事だから」 と懐より
天眼鏡を取出して、萩原を見て。 新「なんですねえ」 勇「萩原氏、貴方は二十日を待....
「金属人間」より 著者:海野十三
たことと、からだをゆすぶり出した。 「ふーン、ふしぎだなあ」 雨谷はおどろいて
天眼鏡《てんがんきょう》を出すと、動く釜をしげしげながめた。かれはしきりに頭をふ....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
った頬でニタニタと笑いながら、長閑に煙草を吸ったあとで、円い肘を白くついて、あの
天眼鏡というのを取って、ぴたりと額に当てられた時は、小僧は悚然として震上った。 ....
「第四次元の男」より 著者:海野十三
と、思ったのである。 すると、藤田師は御自分の皺が、隅田川のように大きく見える
天眼鏡をもって、わたくしの顔を穴のあくほど見ていたが、やがて彼は、俄かに愕きの色....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ただ、気に入らないのは、床の間の一方に、算木《さんぎ》や、筮竹《ぜいちく》や、
天眼鏡《てんがんきょう》といったようなものが置き散らされてあることで、これとても....
「円朝の牡丹灯籠」より 著者:田中貢太郎
しょに新三郎の家へ往った。そして、いぶかる新三郎に人相を見に来たと云って、懐から
天眼鏡を取り出して其の顔を見ていたが、 「萩原氏、あなたの顔には、二十日を待たず....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
「あなた、ちよッと」 「もう、いゝよ、分つたよ」 「ちよッと、手相を」 今度は
天眼鏡で、つぶさに見究はめて、 「下の下だ。仕方がないんだなア。あなた、お告げに....
「女難」より 著者:国木田独歩
もごもっとも、よく私が卜て進ぜます』という調子でございました。 老人は私の顔を
天眼鏡で覗いて見たり、筮竹をがちゃがちゃいわして見たり、まるで人相見と八卦見と一....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
あなたは注意なさらなくてはいけない。」といって、観相家は改めて左の手を開かせて、
天眼鏡で物々しく見てから、その掌を指でたどって、「ここにこういう風にからまった線....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
場であり、二軒にはさまれて空地があったが、そこに売卜者の店があった。算木、筮竹、
天眼鏡、そうして二、三冊の易の書物――それらを載せた脚高の見台、これが店の一切で....
「曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
て、沼津へ出たのが師走の三日。どうせこゝまで来たことだからと、筮竹《ぜいちく》と
天眼鏡を荷厄介にしながら、駿府《すんぷ》まで伸《の》して見たのだったが、これが少....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
り、まさにその通りだった。何ももう改めていうがことはない。隈《くま》なく心の中を
天眼鏡で見透されたような気がした。何てよく分ってくれる人なんだろう、私の心の中の....