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「天祐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天祐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二百十日」より 著者:夏目漱石
ゃない。――おい天気が少々|剣呑《けんのん》になって来たぜ」 「なに、大丈夫だ。天祐《てんゆう》があるんだから」 「どこに」 「どこにでもあるさ。意思のある所に....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
るような眼眸を大臣の方に向けて立ちあがると、こう叫んで、右手をつとのばした。 「天祐を祈りますよ、椋島さん」大臣の幅の広いガッシリした掌がギュッと、椋島技師の手....
壊れたバリコン」より 著者:海野十三
IZZ。所在東京市。実験局。W大学生Y――貴局所在、及ビ危険詳細知ラセ」 相手「天祐。喜ビ甚ダシ。日本万歳。愛スル友ヨ。予ハ貴局ニ驚クベキ報道ヲセムトス。記事甚....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
らく間もない。甚太郎はパッと転がった、切っ先届かず五分残ったのは甚太郎にとっては天祐でもあろうか、引く太刀に連れて飛び上り二の太刀を避けて横へ飛んだ。 熔岩の....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
から人の形を隠すというのは、その理屈が判らないと著者も言っています。 小奴天祐丙子の年、浙西の軍士|周交が乱をおこして、大将の秦進忠をはじめ、張胤ら十数人....
天馬」より 著者:金史良
りながら、一字一字を彼へそれとなく読ませたのだ。実に何ということか。瞬間、これは天祐ともいうべきいいチャンスだぞと彼は思ってしまった。キリストの復活だとも考えた....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
てござるよ。一同谷間へ流されましてな、アブアブ水を飲みましたっけ。が、それそこは天祐というやつ、二、三人怪我はしましたが、命に別条はげえせんでした」頼むところが....
大空魔艦」より 著者:海野十三
三唱した。怪我をしているものはあるが、生命をおとしたものが一人もないのはまったく天祐であった。 空魔艦の怪人たちは、いずれもその仮面をひきむかれた。その奇怪な....
勉強記」より 著者:坂口安吾
厭世自殺をしなければならないような結果になったかも知れなかった。ところが、ここに天祐神助あり、按吉は一命をひろったのである。 天祐神助は先生が童貞を失ったこと....
空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
石が落っこって来て、間髪の間を唸り越えて行った。半分はただ辷り落ちに落ちて、ただ天祐で、とにかく平なところに着陸した。皮膚は擦りむけて、小径の上に血痕が滴りつい....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
特に目立ち、中村屋に好感を持って下さる方がふえたのだということで、私はまたここに天祐の上の天祐を感じ、罹災してついに立てなくなった人も多い中に何というもったいな....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
ーキン氏は暗然とした。 「そうばかりも云われない」紋太夫は故意と元気に、「世には天祐というものがある」 「俺はそんなものは認めない」ホーキン氏は冷ややかに、「そ....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
の方へ移って行った。紙帳の中の、気絶しているお浦の体を踏んだのは、頼母にとっては天祐であった。それで彼は足を掬われて仆れ、左門の太刀を遁がれることが出来たのであ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
仕事に追われていたので、たった一日の旅行すらも不可能であった。 しかし、これを天祐神助、祖神の導き、と云うのかも知れんな。旧正月に来なくて幸せでした。妙な偶然....
快走」より 著者:岡本かの子
と諦めた。それが丁度翌日は雨降りになった。道子は降り続く雨を眺めて――この天気、天祐っていうもんかしら…………少くとも私の悲観を慰めて呉れたんだから…………そう....