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天竺
「天竺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天竺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
笑ったり泣いたりした。それは言わば転身だった。本の中の人物に変ることだった。彼は
天竺《てんじく》の仏のように無数の過去生を通り抜けた。イヴァン・カラマゾフを、ハ....
「母」より 著者:芥川竜之介
に更紗《さらさ》の窓掛けが垂れ下っている。その窓にはいつ水をやったか、花の乏しい
天竺葵《ジェラニアム》が、薄い埃《ほこり》をかぶっている。おまけに窓の外を見ると....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
確かなことはわからないと云う事でございました。中にはまた、震旦でも本朝でもない、
天竺《てんじく》の涯《はて》から来た法師で、昼こそあのように町を歩いているが、夜....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
違った容子《ようす》はありません。それが返って案外だったのでしょう。医者はまるで
天竺《てんじく》から来た麝香獣《じゃこうじゅう》でも見る時のように、じろじろその....
「死後」より 著者:芥川竜之介
因縁除睡鈔《せっきょういんねんじょすいしょう》と言う本を読んでいた。これは和漢|
天竺《てんじく》の話を享保頃の坊さんの集めた八巻ものの随筆である。しかし面白い話....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
い楼上の夫人の胸から、五百人の力士の口へ一人も洩《も》れず注がれる。――そう云う
天竺《てんじく》の寓意譚《ぐういたん》は、聞くともなく説教を聞いていた、この不幸....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
》の味噌漬《みそづ》けだの、天竜八部《てんりゅうはちぶ》の粕漬《かすづ》けだの、
天竺《てんじく》の珍味を降《ふ》らせたかも知らぬ。もっとも食足《くいた》れば淫《....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
浮浪して来た冒険家や旅行者とは、自《おのずか》ら容子《ようす》がちがっている。「
天竺《てんじく》南蛮の今昔《こんじゃく》を、掌《たなごころ》にても指《ゆびさ》す....
「海異記」より 著者:泉鏡花
らすら、黄色な浪の上を渡りおったが、化鮫めな、さまざまにして見せる。唐の海だか、
天竺だか、和蘭陀だか、分ンねえ夜中だったけが、おらあそんな事で泣きやしねえ。」と....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
けて、横顔で振向いたが、清しい目許に笑を浮べて、 「どうして貴方はそんなにまあ唐
天竺とやらへでもお出で遊ばすように遠い処とお思いなさるのでございましょう。」 ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
厭だ、今度はお前さんたちかい。」 十 ――水のすぐれ覚ゆるは、 西
天竺の白鷺池、 じんじょうきょゆうにすみわたる、 昆明池の水の色、 行末久しく清....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
ん。極かいつまんだだけをお話しても、杜子春が金の杯に西洋から来た葡萄酒を汲んで、
天竺生れの魔法使が刀を呑んで見せる芸に見とれていると、そのまわりには二十人の女た....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
べからず。既に満足を得ず、而して後その南瓜ならざるを云々するは愚も亦甚し。去って
天竺の外に南瓜を求むるに若かず。 三、佐藤の作品中、道徳を諷するものなきにあら....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
と、綾、錦、また珊瑚をさえ鏤めて肉置の押絵にした。…… 浄飯王が狩の道にて――
天竺、天臂城なる豪貴の長者、善覚の妹姫が、姉君|矯曇弥とともに、はじめて見ゆる処....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
直きそこじゃ困るんだ。是非大廻りに、堂々めぐり、五百羅漢、卍巴に廻って下さい。唐
天竺か、いや違った、やまと、もろこしですか、いぎりす、あめりかか、そんな、まだる....