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「天職〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天職の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
蜘蛛はそう云う産所《さんじょ》と墓とを兼ねた、紗《しゃ》のような幕の天井の下に、天職を果した母親の限りない歓喜を感じながら、いつか死についていたのであった。――....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
スタアレット氏はちょいと妙な顔をしながら、 「教師になるのは職業ではない。むしろ天職と呼ぶべきだと思う。You know, Socrates and Plato....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
ろ」というておきました。実に金儲けは、やはりほかの職業と同じように、ある人たちの天職である。誰にも金を儲けることができるかということについては、私は疑います。そ....
弓町より」より 著者:石川啄木
書く種類の詩人は極力排斥すべきである。むろん詩を書くということは何人にあっても「天職」であるべき理由がない。「我は詩人なり」という不必要な自覚が、いかに従来の詩....
河明り」より 著者:岡本かの子
がら、 「やあ、御迷惑をかけたもんですなあ……でも、そういう役目も文学をやる方の天職じゃないのですか。何でもそういう人間の悩みを原料として、いつかそれを見事に再....
わかれ」より 著者:国木田独歩
の怪しき作用の一つなり。そこには必ず一個の言いわけあるものなり。この青年はわれに天職ありと自ら約せり。この約束を天の入れたもうや否やは問うところにあらず。 か....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
灰をかき乱したくないのです。 わたしはごく若い少年の頃から、僧侶の務めを自分の天職のように思っていましたので、すべて私の勉強はその方面のことに向けていました。....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
名な哲人がある。この人間の文化の傷を繃帯するということが、一般的にいって、婦人の天職なのではあるまいか。 何といっても男性は荒々しい。その天性は婦人に比べれば....
火の扉」より 著者:岸田国士
たゞ着物を脱ぐということではなかつた。それは、考えようによつては、神聖なひとつの天職のように思われた。芸術家の眼は、自分の裸のすがたをとおして、なにを見るのでも....
俳優倫理」より 著者:岸田国士
いうことをするものかという問題、俳優とはなんぞやということです。その次には俳優の天職、いいかえれば、俳優がおのずから与えられている所の使命です。第三には俳優の素....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
が残っていたから、当時の国士的記者|気質から月給なぞは問題としないで天下の木鐸の天職を楽んでいた。が、新たに入社するものはこの伝統の社風に同感するものでも、また....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ていた。彼はもはや昔日のチャアルス・ブラウントではなかった。彼は突如として自己の天職を発見した。いまは一介の追随者ではない。自分は司令官である。彼以前になにびと....
何を作品に求むべきか」より 著者:小川未明
の暗黒な真相を考えようとしているのである。それでなければ、やはり、芸術家としての天職に対して、何となくすまなく思うのだ。また、良心に対しても恥かしいような気がす....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
になったのは、それが事柄の自然ななり行きであったためで、つまり、各人がそれぞれの天職の目標を追い求め、それに達しようと努めなければならなかった。ただし、永久に揺....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
通り陸大に入校しなかったならば、私は自信ある部隊長として、真に一介の武人たる私の天職に従い、恐らく今日は屍を馬革に包み得ていたであろう。しかるに私は入学試験に合....