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天誅
「天誅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天誅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
《はぶすま》林の間をかいくぐりながら、脱兎《だっと》のごとくに走りつけると、 「
天誅《てんちゅう》うけいッ」 声もろともにダッと左右へ、槍先擬していた二人の小....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
てありました。 「――諸兄よ。恒藤権右衛門《つねとうごんえもん》はみごとわれら
天誅《てんちゅう》を加えたれば、意を安んじて可なり――卍」 文言はなんの変哲....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の罪状を糺明し、厳刑を加うべし。もし遅緩に及び候わば旬日を出でずして、ことごとく
天誅を加うべきものなり。」 亥四月十七日天下義士 この驚くべき張り紙――お....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
えて見たまえ。幹部の目を盗んで民家を掠奪した土佐の浪人があると言うんで、三五沢で
天誅さ。軍規のやかましい水戸浪士ですら、それですよ。」 「それに、あの相良惣三の....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
も名誉、共に思うさま百右衛門をののしり、信義の一太刀覚えたか、とまっこうみじんに
天誅を加え、この胸のうらみをからりと晴らす事が出来るものを、と首を伸ばして入海を....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
めてあげてもいいですよ、僕が撃つ前に兄が死んでいたことが立証される限りはね。兄に
天誅を加えたときには、もう兄は地獄へ行ってしまった後だった」 「兄さんは
天誅に値....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
やら、この絵図一枚で喧嘩が納まりそうである。 この左の眼のつぶれた人は、十津川
天誅組《とつがわてんちゅうぐみ》の巨魁《きょかい》松本|奎堂《けいどう》であった....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
一
天誅組がいよいよ勃発《ぼっぱつ》したのは、その年の八月のことでありました。十七日....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「これは十津川《とつがわ》でやられた。京都から引返して来るときに、伊賀の上野で
天誅組の壮士というのに捉《つか》まり、それと一緒になって十津川へ後戻り、山の中で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が先に立って、大勢の指図をして歩くのだというようなことが言い触らされました。 「
天誅《てんちゅう》」の文字が江戸の市中にも流行《はや》り出して来て、市民を戦慄《....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ねえ」 と小林は額を押えました。 「甲府へはまだ流行って来ねえけれども、江戸でも
天誅《てんちゅう》というやつが流行り出してるのだ。
天誅というのは、金持やなんかで....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
和の十津川ですって……」
「そうです」
「あなたがなんですか、大和の十津川のあの
天誅組《てんちゅうぐみ》の騒動へ加入なすったのですか」
「え、ふとした縁でね」
....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うになりました。 この家は、主人の箱惣が殺されて以来、一家は四散し、親戚の者も
天誅《てんちゅう》を怖れて近寄るものがありませんでしたから、町内で保管し、一時は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
橋から物を投げ込んだことは、米友には今までに経験がないではありません。第一には、
天誅組《てんちゅうぐみ》の貼紙をした立札を引っこぬいて、この川の中へ抛《ほう》り....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
かけた宇津木矩之丞は、信徒に囲まれ龕を捧げ、逃げて行くお久美へ追い付いたが、 「
天誅!」と叫ぶと背後袈裟に、右肩から背筋へまで斬り付けた。 龕が投げられ、悲鳴....