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天質
「天質〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天質の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「落ちたままのネジ」より 著者:宮本百合子
せない芸当やらを教え込むもので、意味をなさぬ。深田氏は、くねくね式説話には向かぬ
天質の人に生れているのではなかろうか。やっぱり正面から当るたちではなかろうか。深....
「鉛筆の詩人へ」より 著者:宮本百合子
ものであるためには、どれだけかの勉学と堅持とがいることでしょう。詩人よ、すぐれた
天質を高めよ。詩が理性のうたであるときいて、しりごみした旧い詩人たちの素朴さ。わ....
「異性の間の友情」より 著者:宮本百合子
えることだろうと思う。ただ従来、そのひとの程度というとき、個人的な限度で、各人の
天質とか仁とかいう範囲でだけ内容づけられていたものを、もっと社会的な複雑な要因の....
「ケーテ・コルヴィッツの画業」より 著者:宮本百合子
年の間じっと持ち続けて、ついに作品にまとめたということは、ケーテという婦人画家の
天質の一つの特質を語るものではないだろうか。モティーフを、自身の感情の奥深くまで....
「子供のためには」より 著者:宮本百合子
女性が詩人であるということと、作家であるということとのちがいをきめるのは、文学の
天質のちがいであることは明瞭である。そのように、小説をかく婦人と児童のために書く....
「明日をつくる力」より 著者:宮本百合子
ないと思う。女の才能がこの社会と家庭生活の事情の中で伸ばされていないことは、男の
天質も決して人間らしく伸ばされてはいないことを語っている。才能も殺されている。そ....
「偶感一語」より 著者:宮本百合子
、どれ程の力を持っているのかは疑います。これ等はただ、その人の内奥にある人格的な
天質がそれ自身で見出すべき道に暗示を与え、自身の判断を待つ場合、思考の内容を豊富....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
闡明《せんめい》し得ぬ同時代的矛盾を自身のうちにもっている。ブランデスは品がいい
天質のひとですね(彼の云いまわしを真似ると)、私はやはり同じ作家の研究について、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
など作者はもち出しているが、リアルでない。そんな女としてでなく描かれているのに、
天質のいいものをもつ女として描かれているのに、良人を愛しているのに、そこでそう脆....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
かけないとあの物語をかく、しかしそれはあくまで科学に立った形象性として。ああいう
天質の成長というものの中にどの位文化の多面さ、ゆたかさ、自由があるか、そのことで....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
の牛をいとしいと思うの。牛には牡ばかりでなく牝もあって、その牝にだってその健気な
天質は賦《あた》えられているでしょう、私は荷牛でいいの。立派な牛舎に桃色の乳房を....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
縮です。そして、そのような滴々是珠玉のような空気によって、わたしが健やかにされ、
天質のプラスの面を引き出されてゆくのかと思えば、殆ど空おそろしい位です。自分に果....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
る。然しながら、かかる思想は退屈だ。帝王何かあらんや、どころではなく、生来帝王の
天質がなく、帝王になったところで、何一つ立派なことの出来る奴原ではないのである。....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
―吾々は皆そういう排列表を多少とも作っているのであるが――の中では、プロス嬢を、
天質と人工との両方によって彼女とは比べものにならぬほど美しく粧うている、テルソン....
「衰えてきた日本料理は救わねばならぬ」より 著者:北大路魯山人
まくゆかないものです。 原料の大事とは、原料の持ち味や特質をよく知ることです。
天質の持ち味を大切に取り扱うことです。魚にしても、だし昆布とかまたはかつおぶしと....