天邪鬼[語句情報] » 天邪鬼

「天邪鬼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天邪鬼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
せ。行くな!」 京吉はいきなり叫んだ。 十一 行くなと言われると、陽子はもう天邪鬼な女だった。理由はきかず、命令的な京吉の調子だけが、ぐっと自尊心に来て、 ....
黒猫」より 著者:佐々木直次郎
った。それから、まるで私を最後の取りかえしのつかない破滅に陥らせるためのように、天邪鬼の心持がやってきた。この心持を哲学は少しも認めてはいない。けれども、私は、....
世相」より 著者:織田作之助
るかも知れないと思ったが、手錠をはめられた江戸時代の戯作者のことを思えば、いっそ天邪鬼な快感があった。デカダンスの作家ときめられたからとて、慌てて時代の風潮に迎....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た。法水は指先を神経的に動かして、窓框を叩きながら、 「そうだとも。あの愛すべき天邪鬼には、しだいに黙示図の啓示を無視してゆく傾向がある。つまり、黒死館殺人事件....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
。(金内吉平氏談) ◇ 前述のような数々の逸話は、翁一流の天邪鬼の発露と解する人が在るかも知れぬが、そうばかりではないように思う。 翁は....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
当を運ぶのに御苦労さま一つ言いもしないくせに、今日に限ってよけいのことを言うのは天邪鬼《あまのじゃく》がのり移ったのだ! と米友が舌を捲いたにかかわらず、その辺....
一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
題なので、弱る。作らず、嘘でなく、じっさい僕が聴いた他人の告白なんて――よくよく天邪鬼でないかぎり、いえた芸ではないと思う。 とにかく、これはいわゆる実話では....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
ょう」 「これが秘決だ! 無分別! どうだこいつでやらかそう!」 「ところが妾は天邪鬼で、無分別が恋の秘決なら、思慮熟慮で行きましょう」 「理詰めで行こうとこう....
いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
ものは持ち合せてもいず、また、私もそれを望んではいなかつたと思うが、しかし、多少天邪鬼という点で人目を惹くことを快としないわけではなかつたろう。さういう気持で、....
土足のままの文学」より 著者:織田作之助
めからはだしでして……と言えるような作品を書きたいと思う。 僕はこれからはもう天邪鬼になって、新人がどれだけ巧い作品を書いても、感心しないことにする。泥だらけ....
夜光虫」より 著者:織田作之助
も、惚れているとは言わぬ積りだったが、この際は簡単に言ってのける方が、お加代への天邪鬼な痛快さがあった。 果して、お加代は顔色を変えた。 豹吉が雪子に興味を....
夜の構図」より 著者:織田作之助
続けていたのは、実は薄井を本来の俗物の地位まで、自分と共にひきずり下したいという天邪鬼からであった。 「――それとも、あなたは自分自身を一流だと思いますか」 ....
二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
いう弱点が充満していることに安心できなかったのだそうだよ」 「ふうむ――どこまで天邪鬼《あまのじゃく》なんだろう!」 五、詩人曰く「原口は人生に最初から失恋し....
地球の円い話」より 著者:中谷宇吉郎
とした関係が見付かったとして物理学者は安心する。それを説明された一般の人は、特に天邪鬼《あまのじゃく》でない限りは、一層安心するのが当前《あたりまえ》である。 ....
簪を挿した蛇」より 著者:中谷宇吉郎
育が、自分のその後の科学にとって、そうひどく邪魔になったとは思われない。そういう天邪鬼《あまのじゃく》な考えをするから何時《いつ》まで経《た》っても一人前の科学....