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天長
「天長〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天長の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
《せわ》しいで木《こ》っ葉《ぱ》みじんだ。今夜はおそいかもしれんよ。おれたちには
天長節《てんちょうせつ》も何もあったもんじゃない」
そういわれてみると葉子はき....
「星座」より 著者:有島武郎
畳の上の金を蟇口にしまいこみながら、
「こりゃいよいよ冬が来るんだよ。また今年も
天長節《てんちょうせつ》には大雪だろうね。星野はどうしているかしらん」
と園の....
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
さあらば、熊の皮の胴服などに、久しく無沙汰の芝居気取など致して見ばやと笑い居候、
天長節より時雨つづき、雨やや上りて、雲がなき日の雪ある山の眺め、都人の想像及ばざ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
けて眺めるという気分にもなれず、花を生けるような物も具えていないので、さきごろの
天長祝日に町内の青年団から避難者に対して戸毎に菊の花を分配してくれた時にも、その....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
い霜の来たことを思った。 落葉の二 十一月に入って急に寒さを増した。
天長節の朝、起出して見ると、一面に霜が来ていて、桑畠も野菜畠も家々の屋根も皆な白....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
ようよ。あした一緒に行こう。」兄さんは、きのうから、とても機嫌がよい。 あすは
天長節である。何か、僕の前途が祝福されているような気がした。津田さんというのは、....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
それは文化の中心地として記録の筆が備わっていたためであろう。 その京都の地震で
天長四年七月に起った地震は、余震が翌年まで続いた。斉衡三年三月八日の大和地方もひ....
「遺言」より 著者:国木田独歩
からお話しすると、横須賀なるある海軍中佐の語るには、 わが艦隊が明治二十七年の
天長節を祝したのは、あたかも陸兵の華園口上陸を保護するため、ベカ島の陰に集合して....
「戦争論」より 著者:坂口安吾
る人間的限界を超えた神格的崇拝の復活である。すでに帝国ではない民主国日本に於て、
天長節の復活も奇怪であるが、天皇制というものが、国内統治の一時的な方便として便利....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
於て、私の幼いころの日本は健康な、正しい道を歩みつつあったのだ。 私はその頃の
天長節のことを忘れることが出来ない。それは十一月三日、明治天皇の
天長節で、恰度菊....
「天長節の式場」より 著者:田中貢太郎
大正十一年十月三十日、横浜市横浜尋常高等石川小学校では、例年の如く
天長節の勅語奉読式を挙行した。 その翌日になって、第四年生一組の受持訓導S君は....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
生けて眺めるという気分にもなれず、花を生けるような物も具えていないので、先ごろの
天長祝日に町内の青年団から避難者に対して戸ごとに菊の花を分配してくれた時にも、そ....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
ら四日目でなくては着かぬそうだ。 六 その夜は快く眠った。明くれば
天長節、満空一点の雲もない好天気だ。裏の滝壺で顔を洗う、握飯を腰にして平林道の峠....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
きも、風景に乏し。午後五時帰館す。この日、行程数十マイルに及ぶ。 三日、晴れ(
天長節)。午前、三隅、諸橋両氏とともに電車に駕して市外ギンドー村に至り、ホテルロ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
贈り、かつ近衛声明は東亜連盟の線に沿うたのである事を発表せられた。 昭和十五年
天長の佳辰に発せられた総軍司令部の「派遣軍将兵に告ぐ」には、事変の解決のため満州....