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天降り
「天降り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天降りの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、湯は土瓶に入れて、押入れに置いてくれる。彼は押入れの天井板を取り除き、そこから
天降りで飲み食いするものにありつき、客でも来るごとにその押入れに潜んでいてそれと....
「無系統虎列剌」より 著者:夢野久作
さんも勿論、宅診、往診以外に遠くへ行った形跡はない、つまり所謂、無系統コレラ……
天降り伝染という奴だね。 不思議だ不思議だといううちに県の衛生試験所へまわった....
「旅愁」より 著者:横光利一
た。久慈は窓から空を眺めてみた。
「あれだよ。空から下って来るのも良いものだな。
天降りというやつだ。」
銀灰色の一台の単葉がエア・フランスのマークを尾につけつ....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
、少くとも大崎領に政宗の電話が開通して居たことは疑無い。サア木村父子が新来無恩の
天降り武士で多少の秕政《ひせい》が有ったのだろうから、土着の武士達が一揆を起すに....
「文学の大衆化論について」より 著者:宮本百合子
あるのである。 これに対する態度として、作家自身の庶民性の主張がある。これは、
天降り風な大衆のための文学創作に抗して、自身のこの社会での生れ、在り場所、生きか....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
胸にいっぱいの抗議をいだいている。ラジオはその時の政府によって官僚統制され、また
天降りの独裁放送を行うことを思えば、政府の放送事業法案に対する反対はきわめて強い....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
変化であるかとかいうこととは全く無関係に、このような内容上の規定を知らなくても、
天降り式に押し付けられ得るような性質を有った弁証法で、それはあるのである。恐らく....
「辞典」より 著者:戸坂潤
側面から之の認識に迫ることが出来ねばならぬのである。この物質は事物の外廓的な又は
天降り式な形式ではなくて、内容の圧力によって自己の形態を形成して行く質料であり、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、誰の言葉も聞いてやるが、なかなかその名役人というものはないものでな――だから、
天降りとか、搦手とかいうやつが、いつの世でも相当効目があるものなのだ。どうだい、....
「英彦山に登る」より 著者:杉田久女
宮には禰宜も登らず、茶店もとじてしまうそうな。(英彦山は天照大神のみ子天忍穂耳尊
天降りの地という) 私は三時に奉幣殿に下りてきて、今年最終の英彦山詣りを無事に....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
な、油に燈心だから堪るめえじゃねえか、恐しい。名代部屋の天井から忽然として剃刀が
天降ります、生命にかかわるからの。よ、隣のは筋が可いぜ、はんぺんの煮込を御厄介に....