天際[語句情報] » 天際

「天際〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天際の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女体」より 著者:芥川竜之介
》の光沢を帯びて、どこの山脈にも見られない、美しい弓なりの曲線を、遥《はるか》な天際に描《えが》いている。…… 楊《よう》は驚嘆の眼を見開いて、この美しい山の....
竹青」より 著者:太宰治
めば大別山の高峰眼下にあり、麓には水漫々の月湖ひろがり、更に北方には漢水|蜿蜒と天際に流れ、東洋のヴェニス一|眸の中に収り、「わが郷関何れの処ぞ是なる、煙波江上....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
ったに、ただ一日お光さんは夫の許しを得て、予らと磯に遊んだ。朝の天気はまんまるな天際の四方に白雲を静めて、洞のごとき蒼空はあたかも予ら四人を中心としてこの磯辺を....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
比類なき風情であった。 さてその鸚鵡を空に翳した。 紫玉の※った瞳には、確に天際の僻辺に、美女の掌に似た、白山は、白く清く映ったのである。 毛筋ほどの雲も....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
草に刈り、芥にむしり、甚しきは古塚の横穴を発いてまで、捜させました。流星のごとく天際に消えたのでしょう、一点似た釘も見当りません。――唯今……要求しますのは、そ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に、千山|轡《くつわ》を並べ、万峰肩を連ねて、盛んなる堂々めぐりをはじめました。天際と、地軸の間を表に真黒な沈黙、裏に烈々たる火炎を抱いて動き出したそのめざまし....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
キ、あるいは赤色ペンキを用い、白赤相映じて大いに人目を引く。夜十時に至り、西北の天際遠く晴れ、夕日波上に映射し、上下に太陽を見るは実に奇観なり。ときに、水中に一....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
の北にある二千五十一米の峰を超えて、更に遠く白雪|皚々たる白馬の連峰が、肉眼では天際に棚引く一抹の横雲かと怪まれた。 尨大なる武尊山を蹈まえて、烏帽子|岩菅の....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
、雪倉岳の波頭が白く突立つ。遥に離れて尨大な朝日岳から蒼い穏かな線のうねりが遠く天際に揺曳して、無辺際に拡がり行く巨鐘の音波のような余韻を偲ばせている。 それ....