太く短く[語句情報] » 太く短く

「太く短く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

太く短くの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
あげて、脇に投げやり、「おれが手のすじを見てやろう」と、右の手を出させたが、指が太く短くッて実に無格好であった。 「お前は全体いくつだ?」 「二十五」 「うそだ....
深夜の市長」より 著者:海野十三
せ先が駄目なものなら、ここらで一番思い切って暴れてからオン出てやろうではないか、太く短く――そうだ、なぜそれを今まで考えなかったろう。 僕は俄かに両肩の欝血が....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、鉄道往生をする。財産を無くして、狂になる。世の中が思う様にならぬでヤケを起し、太く短く世を渡ろうとしてさま/″\の不心得をする。鬼に窘められて鬼になり、他の小....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
藏、手前も泥坊をするのか」 龜「へい雲助をしていやしたが、ろくな酒も飲めねえから太く短くやッつけろと、今では斯な事をしておりやす」 と云われ、源次郎は暫し小首....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
を仰いで転びたい。そしてあのいい色の青空を視力の続くかぎり視つめたい。その視線が太く短くなってやがてはたと切れたときそれなりに瞑目したらなお嬉しい。 今年の私....
追憶」より 著者:宮本百合子
る様に叫んだ。 苦しくて苦しくて堪らない息を吐くと一緒に夢中で出た様なその声は太く短くかすれて居た。 「え? え? 何ですか。 母は体を曲げた様であっ....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
の連中と特別にタイアップする、どうせ危い橋を渡つてゐるのだから、危険は同じこと、太く短くもうけるに限る。彼自身が共同戦線のヨシミによつて安値に遊ぶことができるな....
ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
を鼻のわきの深い皺がそれを助けた。まったくねえ。レニエはうまいことを言う。眉毛は太く短くまっ黒で、おどおどした両の小さい眼を被いかくすほどもじゃもじゃ繁茂してい....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
ごと》し」 と繰《く》り返《かえ》し教えている。しかして人生の戦争においては、太く短く世を渡るを望む者あるも、望み通りになるやならぬや誰も保証出来ぬ。みずから....
日記」より 著者:宮本百合子
の一生に限りがあると云う言葉によってその一生の間を力強く暮そうと思う人と同じ位に太く短くどんなにでもなるがままにやってやる、と思う人がある。 二月四日(水曜)晴....
森の石松」より 著者:山中貞雄
るんだ。屹度なるぞ。誰がこんな汚ねえ家に居るものかッ。俺ァやくざになって、一生を太く短く暮すんだ。父っつあんがいくら……いくら、いくら何んと云ったって……」 ....