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太一
「太一〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
太一の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
きゃ仕方がねえんだ。引込んでろ引込んでろッ。お道中先を汚されたんじゃ、露払いの弥
太一と名を取ったおれ様の役目にかかわるんだ。振舞い酒にありつきてえと言うんなら、....
「新生」より 著者:島崎藤村
実の姉も心配して姉から言えば亡くなった自分の子息の嫁、岸本から言えば甥《おい》の
太一の細君にあたる人を手紙でしきりに勧めて寄《よこ》したが、その縁談も岸本は断っ....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
学」と邦訳したのであろう。同年十月の大学南校規則にも「国務学」となっている。世良
太一君の直話に拠れば、国勢学を一時「知国学」ともいうたことがあるが、これは多分杉....
「一太と母」より 著者:宮本百合子
うるさい!」 踏切りのこっちへ来ると、一太の朋輩や、米屋の善どんなどがいた。一
太一人で納豆籠をぶらくって通ると、誰かが、 「一ちゃんおいで」 と呼んだ。米屋の....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
木|伯寿の子である。天保十年に江戸佐久間町に生れ、安政の末年に尺氏を冒した。田辺
太一に啓発せられて英学に志し、中浜万次郎、西吉十郎等を師とし、次で英米人に親炙し....
「夏目漱石先生の追憶」より 著者:寺田寅彦
かったのであった。 そのころの先生の親しかった同僚教授がたの中には狩野亨吉、奥
太一郎、山川信次郎らの諸氏がいたようである。「二百十日」に出て来る一人が奥氏であ....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
したのでございます」 太「やア是ははや是ははや、私は水司又市じゃアない、私は水島
太一郎という者だが、按摩に成ってからは
太一と申すが、其方は水司又市を敵と狙うのか....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
たのが、小説をかいて法事の費用をつくろうということでございました。」 父の田辺
太一という人は元老院議員という当時の顕官で、屋敷のなかに田圃まである家を下谷池の....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、毎日吾妻橋を越して一製糸場に通っていた。 留守になると、橋手前には腕白盛の滝
太一人、行儀をしつけるものもなし、居まわりが居まわりなんで、鼻緒を切らすと跣足で....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
であるが、森永が資本金二百万円の日本唯一の大製菓会社となった時、そこの社長の森永
太一郎さんが、自ら白いエプロンをかけて職工達と一緒になり工場に入って菓子をこさえ....
「平泉紀行」より 著者:村山俊太郎
ている。ヘルメットに包んだあの肥大な体、金剛杖……。 それに続くは自称山男伊淵
太一郎、ひらきに美しく装うた山男は、その山男たるを忘れられては、と心配してか一枚....
「地上」より 著者:島田清次郎
いた。夕方彼女は父について家を出た。村のはずれの小さい小屋のような家の前で父は「
太一いるか」と言った。 「誰だ!」 「わしだ。なぜ灯をとぼさんのだ」 「油がない....
「橋の上」より 著者:犬田卯
がいの腕白ども――否、一人残らず彼らは手放しなんかで巧みに渡った。渡れないのは圭
太一人くらいのものだった。 三年四年の鼻たれでさえ渡るのに! しかも高等二年生....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
口は利かぬ、一生|溝でもいじって暮せ、五重塔は気の毒ながら汝に指もささせまい、源
太一人で立派に建てる、ならば手柄に批点でも打て。 えい、ありがとうござります、....
「牡丹灯籠 牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
かしの壮い男があって、正月十五日の観燈の晩に門口に立っていた。この観燈と漢時代に
太一の神を祭るに火を焚き列ねて祭ったと云う遺風から、その夜は家ごとに燈を掲げたの....