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太公望
「太公望〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
太公望の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ります」 ここは唐土《もろこし》で、自分は周《しゅう》の武王《ぶおう》の軍師で
太公望《たいこうぼう》という者であると彼は名乗った。そうして、更にこういうことを....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
きつげどり》の雁《かり》鳴き渡る葦間《あしま》のあたり、この世をわが世に泰平顔な
太公望のつり船が、波のまにまに漂って、一望千金、一顧万両、伝六太鼓がいっしょにい....
「草枕」より 著者:夏目漱石
。久一さんの頭の中には一尾の鮒《ふな》も宿《やど》る余地がない。一行の舟は静かに
太公望《たいこうぼう》の前を通り越す。 日本橋《にほんばし》を通る人の数は、一....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
まして、事のついでにお坊主衆もお借り受け申し、お茶なぞねじ切りながら、心行くまで
太公望致しとうござりまするが、いかがでござりましよう」 「うんうん、若いに似合わ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
と逃げた。然し帰って来ると、爺さんは四の五の云わずに依然かみさんの座に坐らした。
太公望の如く意地悪ではなかった。夫婦に娘が出来て、年頃になった。其娘が出入の若い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
るところに存在するのではございますまいか。御存じでございましょう、佐藤一斎先生が
太公望をお詠《よ》みになった詩の中に、『一竿ノ風月、心ト違《たが》フ』という句が....
「鱗粉」より 著者:蘭郁二郎
いじゃないか、その釣竿には「針」がないんだ、それどころか針をつけた様子もない――
太公望じゃあるまいし毎晩夜釣りに行く人間が針をつけたことがないなんて想像も出来な....
「首頂戴」より 著者:国枝史郎
真面目の顔になったが「彼奴自身、そのものであろう」 「あッ、成程、わかりました。
太公望を気取っているので?」 「この見立は狂うまいよ」 「では武王が無ければなら....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
わち輿論《よろん》は伯夷叔斉《はくいしゅくせい》を罪《つみ》せんとした。このとき
太公望《たいこうぼう》は独特の意見を述べて、 「此《これ》義人《ぎじん》なり」 ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ございますな」 「それでいいのだ、それが本意なのだ。……と云うのはわしの魚釣は、
太公望と同じなのだからな」 「
太公望? はは左様で」 「魚釣り以外に目的がある。....
「真の愛国心」より 著者:新渡戸稲造
いって武王を諫《いさ》めたが用いられなかった。その国を愛するの情は武王自身または
太公望呂尚《たいこうぼうろしょう》にも譲らなかったろう。彼の眼《め》には憂国より....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
幣局の河岸のほうまで歩いて、よき死に場所をと尋ねた。 ここと思うたところには、
太公望が真夜中に魚つりをやっていたり、ここと決めると河上から船がやって来たりして....
「三国志」より 著者:吉川英治
ではありません。――それを今日の人物と比較することは困難で、古人に求めれば、周の
太公望、漢の張子房などなら、彼と比肩できるかもしれませぬ」 「ご辺と友人のあいだ....
「三国志」より 著者:吉川英治
答えを、思うつぼと、うなずいて見せながら、周瑜はなお言葉を重ねた。 「むかし周の
太公望は、自ら陣中で工匠を督して、多くの武器をつくらせたと聞きますが、先生もひと....