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太刀音
「太刀音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
太刀音の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
てくる生死の危急が、たちまちそれをかき消してしまう。そうして、そのあとにはまた、
太刀音と矢たけびとが、天をおおう蝗《いなご》の羽音のように、築土《ついじ》にせか....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
上皇帝を祈りましたせいか、あの恐ろしい幻は間もなく消えてしまいましたが、その代り
太刀音を聞いて起て来た非人《ひにん》たちが、四方から私どもをとり囲みました。それ....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
い間、わしを苛めてくれてありがとう。ありがとう。あはははは。 (首を斬る掛け声、
太刀音、つづいてきこえる。見物どよめいて声を上げる) 甚兵衛 (顔色、やや蒼白に....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
沢宗益を指向けてある。それらの者はこの六月の末という暑気に重い甲冑を着て、矢叫、
太刀音、陣鐘、太鼓の修羅の衢に汗を流し血を流して、追いつ返しつしているのであった....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
点を参考にして批判研究していただきたく思う――。 その時、鏘然《そうぜん》と
太刀音がした。 一人の武士が頭上を狙い、もう一人の武士が胴を眼がけ、同時に葉之....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ていた。まさに稲麻竹葦であった。葉之助よ! どうするつもりだ※ その時|鏘然と
太刀音がした。 一人の武士が頭上を狙い、もう一人の武士が胴を眼がけ、同時に葉之....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
人の武士に、討って取られたと思ったからであろう。が、そいつは杞憂であった。数合の
太刀音、数声の悲鳴、二人の武士が転がった。と、爾余の武士達が、ムラムラと左右へ崩....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
うまくやらねえと。……」 「うるせえ。仕事に精出しな」 劇しく詈合う声が聞え、
太刀音が聞え、続いて女の悲鳴が聞えたのは、この日の夜であった。 沖田総司は、枕....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
子になれるかな?」 ――それだけの余裕があったのである。 十一
太刀音、悲鳴、「来やアがれーッ」の喚き、十分けたたましいといわなければならない。....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
感覚的に横へ薙いだ。と、すぐに鋭い悲鳴が上って、人の仆れる物音がしたが、つづいて
太刀音と喧号とが、嵐のように湧き起こった。そうして闇の一所に、その闇をいよいよ闇....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
ある。こんな奇麗な佳い晩に、二人は斬り合おうとするのであった。 二人は動いて、
太刀音がした! 即ち鏘然、合したのである。と、ピッタリ寄り添った。鍔逼り合いだ!....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
を蔽うたが、一人の武士が大鷲さながらに、主税を目掛けて襲いかかった。 悄然たる
太刀音がし、二本の刀が鍔迫り合いとなり、交叉された二本の白刃が、粘りをもって右に....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
見逃がそうぞ! 一気に盛り返した勇を揮い、奮然として切り込んだ。 またも鏘然
太刀音がした。 放心状態にあったとはいえ、剣鬼さながらの陣十郎であった。何のム....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
なさりませ」
鈴江が針をふくもうとした時に、裏庭のかなたの小門の辺から、鏘然と
太刀音が聞こえて来た。
「おや」と鈴江は声を上げたが、馬酔木の叢の裾の辺まで、小....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
、さすがに若い女の悼ましい死を見るに堪えかねて、少しく伏目になっていると、やがて
太刀音がはたと聞えた。つづいて主人の声がきこえた。 「女の死骸を片付けい」 三....