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「太古〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

太古の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
れない。葉子は荒神に最愛のものを生牲《いけにえ》として願いをきいてもらおうとする太古《たいこ》の人のような必死な心になっていた。それは胸を張り裂くような犠牲だっ....
恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
まん中あたりで、長いくびをひょっくり出していて、土地の人に見つけられたというあの太古《たいこ》の怪獣である恐龍! この恐龍を、ぼくたちは豆潜を使って海中に出す計....
地球盗難」より 著者:海野十三
皆強い動物に喰われてしまって、五本指の馬の種属は絶え果てた。しかしどうかすると、太古のような五本指を持った馬が、ヒョックリ生れることがあるという。それは一見偶然....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
多く、密林の感じである。材木|繋留の太い古杭が朽ちてはうち代えられたものが五六本太古の石柱のように朦朧と見える。 その柱の一本に掴って青白い生ものが水を掻いて....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
して映しとどめ、恍惚そのものに化していた。 彼は七つの金魚池の青い歪みの型を、太古の巨獣の足跡のように感じ、ぼんやりとその地上の美しい斑点に見とれていた。陽が....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
礼をなすが如くにして退く。これを名づけて蝦蟆説法という。 松江へ行って、道士の太古庵に仮寓していた。その時に見たのは、鰍を切るの術である。一尾は黒く、一尾は黄....
海底都市」より 著者:海野十三
暴漢は、僕をめがけて押しよせた。 その野獣的な彼らの形相《ぎょうそう》に、また太古《たいこ》のままの好戦的な性格まるだしの有様《ありさま》に、僕はいささかひる....
地球要塞」より 著者:海野十三
た。 おお、X大使! なんという恐ろしい人物にめぐりあったものだろう。これが太古であれば、天狗《てんぐ》さまに出会ったとでも記すところであろう。さすがの私も....
荘子」より 著者:岡本かの子
て消極に拠る説に多く傾いて来た。しかし、六尺豊な体躯を持っている赫顔白髪の老翁の太古の風貌を帯べる考えと多情多感な詩人肌の彼の考えと到底一致する筈がない。結局荘....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
な髯――それが生えるがままに伸びて、くっきりと高い鼻をいやが上にも浮彫し、まるで太古の神々の中の一人でもあるかのように見えるのである。 これは通称「ひらきやの....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
。 穴の底は再び旧の闇に復った。遠い地の下を行く水の音が聞えるばかりで、霎時は太古の如くに静であった。 下の松明が俄に消えたので、上の人々は又もや不安に襲わ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
獣皮にて包む。その形、エジプトのミイラに似たり。平素トナカイを養いて生活す。実に太古の遺民なり。途中、あおばえに苦めらる。暑気七十四、五度に上がれり。夜に入り、....
王さまの感心された話」より 著者:小川未明
そうして、毎晩なんのために、あんな高いところで光っているのだ。」と聞かれました。太古のことで、星や、花や、鳥や、すべてのものに対して、人々は不思議を感じていた時....
銀河の下の町」より 著者:小川未明
車へ積み、そして、芸当に使っていた馬に引かせてゆくのでした。その簡単な有り様は、太古の移住民族のごとく、また風に漂う浮き草にも似て、今日は、東へ、明日は、南へと....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
活をして来た。しかし反面常に天意に恭順ならんとする生活を続けたのである。東洋人は太古の宗教的生活を捨て去っていない。西洋は力を尚ぶが、我らの守る処は道である。政....