太夫元[語句情報] » 太夫元

「太夫元〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

太夫元の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
起こる緩絃《かんげん》朗笛の節《せつ》を履《ふ》みて、静々歩み出でたるは、当座の太夫元滝の白糸、高島田に奴元結《やっこもとゆ》い掛けて、脂粉こまやかに桃花の媚《....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
つだゆう》が勧進元のさるしばいでした。さらでだに夏枯れどきのご難をうけたあとで、太夫元も見物も飢えきっていたときなんだから、いざ評判がたったとなると、一座の者も....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
倒になりやしねえかと思うんでごぜえます」 「ほほう、番五郎の黒幕にまだそのような太夫元がおると申すか。気になるお方とやら申すは一体何ものじゃ」 「勿論御名を申し....
惜別」より 著者:太宰治
行せられず、時たま題をかえて演ぜられる事があっても、その都度、旧藩士と称する者が太夫元に面会を申し込み、たとえ政岡という烈婦が実在していたとしても、この芝居全体....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
きているとも」 神尾もまた自分ながら、書き上げた看板の文字に得意でいます。 「太夫元、奢《おご》らなくちゃあいけやせんぜ」 福兄《ふくにい》はこう言って、お....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、二人までぶっつかって来ましたよ」 「珍しい人……誰?」 「一人は両国の女軽業の太夫元のお角さん……」 「いやな奴」 お絹は心からお角を好いていない。お角の方....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れに違いない」 と皺《しわ》をのばした一通の証文は、一金五十両也と書いて、女軽業太夫元かくという名前にしてあったから、それであの女が軽業師の興行人であり、その名....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、調子を合せにかかろうとする。長次郎は、そこを去って、また裏口の方へ向い、 「太夫元は来ないかな」 二 この興行が、いよいよ初日《しょにち....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
額面は、この間中、ジプシー・ダンスをやっていた一座が持って来たのを、記念の意味で太夫元《たゆうもと》にくれたものであります。 白雲が泰然自若として坐り込んで、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
増の女、お銀様にはまだ知己《ちかづき》のない人でしたけれども、これはお君のもとの太夫元、女軽業の親方のお角《かく》であります。ここでムク犬が、お銀様とお角とを引....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら参りましたという使の者が、 「へえ、御免下さいまし、染井のお屋敷から、こちらの太夫元へお言伝《ことづけ》がありました、というのはほかじゃございません、こちらの....
文福茶がま」より 著者:楠山正雄
見世物小屋をこしらえて、文福茶がまの綱渡りと浮かれ踊りの絵をかいた大看板を上げ、太夫元と木戸番と口上言いを自分一人で兼ねました。そして木戸口に座って大きな声で、....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
とであった。山岸|主税は両国広小路の、例の曲独楽の定席小屋の、裏木戸口に佇んで、太夫元の勘兵衛という四十五六の男と、当惑しながら話していた。 「ではもうあやめは....
子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
ませんから、内心ではらはらしていたのです。で、一座の座頭にもわけを話して、座頭と太夫元の二人から六三郎にむかってくれぐれも意見をしました。 座頭は、もしこれが....
春泥」より 著者:久保田万太郎
に拮抗するくらい何のわけもないことだった。間もなく、由良は、日本橋|中洲の芝居の太夫元と結んでそこを自分の定小屋にした。――そのときには、座員でも、人数からいっ....