太平[語句情報] » 太平

「太平〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

太平の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
年の間にあれだけの嵩《かさ》になるのですからね。古来の売れ残りを集めたとしたら、太平洋も野菜に埋《うず》まるくらいですよ。しかしサッサンラップ島の住民は未だに野....
」より 著者:芥川竜之介
こう云う対話を覚えている。それから僕等の半町ほど向うに黒ぐろと和《なご》んでいた太平洋も。…… 六 彼の死んだ知らせを聞いたのはちょうど翌....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
んぎん》に会釈をした。ただその中で聊《いささ》か滑稽の観があったのは、読みかけた太平記を前に置いて、眼鏡をかけたまま、居眠りをしていた堀部弥兵衛が、眼をさますが....
猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
《どま》の隅に、蜂は軒先《のきさき》の蜂の巣に、卵は籾殻《もみがら》の箱の中に、太平無事な生涯でも送ったかのように装《よそお》っている。 しかしそれは偽《いつ....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
わたしはこの綵衣《さいい》を纏《まと》い、この筋斗《きんと》の戯を献じ、この太平を楽しんでいれば不足のない侏儒《しゅじゅ》でございます。どうかわたしの願いを....
或る女」より 著者:有島武郎
もいますか。奥さんここが医務室です。何しろ九月といえば旧の二八月の八月ですから、太平洋のほうは暴《し》ける事もありますんだ。たまにはここにも御用ができますぞ。ち....
或る女」より 著者:有島武郎
の薔薇《ばら》も咲き出すでしょう……遠いようだがまだ去年の事ですねえ、お互い様に太平洋を往《い》ったり来たりしたのは……あのころがおもしろい盛りでしたよ。わたし....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
行曲《マーチ》を聞いて、心のままに筆を動かせば満足なのである。世界貿易の中心点が太平洋に移ってきて、かつて戈《ほこ》を交えた日露両国の商業的関係が、日本海を斜め....
親子」より 著者:有島武郎
……」 「遊んでいて飯が食えると自由自在にそんな気持ちも起こるだろうな」 何を太平楽を言うかと言わんばかりに、父は憎々しく皮肉を言った。 「せめては遊びながら....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
、大多数の場合にはそれが地と原始水あるいは大洋との分離であったと考えられている(太平洋諸島中の若干の民族は地が大洋から漁獲されたと考えている)。それでその前の渾....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ないのです。それ動員だ、輸送だなどと間ぬるいことではダメであります。軍艦のように太平洋をのろのろと十日も二十日もかかっては問題になりません。それかと言って今の空....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
衛は難有い。居心は可、酒は可。これで喜多八さえ一所だったら、膝栗毛を正のもので、太平の民となる処を、さて、杯をさしたばかりで、こう酌いだ酒へ、蝋燭の灯のちらちら....
可愛い山」より 著者:石川欣一
ている社に入ったばかりなので、夏休をとる訳にも行かなかった。翌年の二月には、再び太平洋を渡っていた。 だが雨飾山ばかりは、不思議に印象に残っていた。時々夢にも....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
い「主作戦を満州に導き、敵の主力を求めて遠くこれを北方に撃攘し、艦隊は進んで敵の太平洋艦隊を撃破し以て極東の制海権を獲得する……」という作戦方針の下に行なわれた....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
た。明治二十五年に生れた僕は勿論日清役の事を覚えていない。しかし北清事変の時には太平という広小路(両国)の絵草紙屋へ行き、石版刷の戦争の絵を時々一枚ずつ買ったも....