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太平楽
「太平楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
太平楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ら、浅草橋の欄干を蹈んで、富貴竈の屋根へ飛んでも、旦那方の手に合うんじゃないと、
太平楽を並べた。太い奴は太い奴として。 酒井さん。その攫徒の、袖の下になって、....
「親子」より 著者:有島武郎
……」 「遊んでいて飯が食えると自由自在にそんな気持ちも起こるだろうな」 何を
太平楽を言うかと言わんばかりに、父は憎々しく皮肉を言った。 「せめては遊びながら....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
みんなうまくあたるんじゃ。わいら、うらの爪の垢なりと煎じて飲んどけい。」 彼は
太平楽を並べていばっていた。 「何ぬかすぞい! 卯の天保銭めが!」 麦を踏み荒....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
にようやくのことで釈放の命令が出た。 「僕も知っていれば……」 と、僕は自分の
太平楽を恥じかつくやんだ。 ――一九二三年七月十一日、箱根丸にて―― 入獄から....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ちだろうから、恐竜島でもなんでもかまやしない、三日でも四日でも、腹一ぱいくって、
太平楽《たいへいらく》を並べようや」 かまやしないを二度もくりかえして、ラツー....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
らいなら、私はお誓さんの薙刀に掛けられますよ。かすり疵も負わないから、太腹らしく
太平楽をいうのではないんだが、怒りも怨みもしやしません。気やすく、落着いてお話し....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
んで。へい、それで私も安心でござります、ついお心持を丈夫にしようとッて前のように
太平楽は並べましたものの、私も涙が出ます、実は耐えておりました。」 慶造は情な....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
。それまでにはまだ一度や二度の勉強の機会があるだろう。 仙境なればこそ、こんな
太平楽も並べて居れるが、世の中は師走ももう二十日まで迫って来たのだね。諸君の歳晩....
「遺恨」より 著者:坂口安吾
徒でありながら時代の痴呆性をさとらず、現実に安住して、王者の如くに横行カッポし、
太平楽で、身の程を知らない。 先生とかゝわりのある文科の学生は特別
太平楽なのか....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
教渡来の頃までを含めて)で最大の巨人は大国主という大人だね。いとも情緒こまやかに
太平楽で、女や酒は大そう好むけれども、およそ戦争を好まないという昔には珍らしいダ....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
、私の生活費は二十五円ぐらいのもので、もしも人に希望や野心がなければ、これぐらい
太平楽な生活はなかった。 しかし若い人間にとって希望を失った
太平楽ぐらい味気な....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
くならんとす。早地峰の高仙人、願くは木の葉の褌を緊一番せよ。 さりながらかかる
太平楽を並ぶるも、山の手ながら東京に棲むおかげなり。 奥州……花巻より十余里の路....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
、鎮西八郎の末孫で、勢い和朝に名も高き、曾我五郎|時致だッて名告ったでさ。」 「
太平楽は可いけれど、何、お前大島ッて流しものになる処じゃないの、大変な処へまあ、....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
風かい。溝店のお祖師様と兄弟分だ、少い内から泥濘へ踏込んだ験のない己だ、と、手前
太平楽を並べる癖に。 御意でござります。 どこまで始末に了えねえか数が知れね....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
憤る、元気の盛んな、かつ腕っ節の強い連中が、一方にはたまたま免れて、不義の富貴に
太平楽を極めこんでいるものの、あるのを見ましたならば、ついにはとって活きるの道に....