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「太棹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

太棹の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
っているところをでも不意にうしろから襲われたらしく、二三春は撥《ばち》もろともに太棹《ふとざお》をしっかりとかかえたまま、前のめりにのめっているのでした。 「ね....
草枕」より 著者:夏目漱石
ると、上方《かみがた》の検校《けんぎょう》さんの地唄《じうた》にでも聴かれそうな太棹《ふとざお》かとも思う。 小供の時分、門前に万屋《よろずや》と云う酒屋があ....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
「へ? なるほど。ここで会うたが七年目、覚悟はよいか、でんでんでん――こりゃあ太棹《ふとざお》で、へへへへへ。」 「利七、真面目に話そうではないか。」 「利七....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
デンと引きほごされてゆくと、机竜之助の空想もその中に引込まれて、 「珍しいなア、太棹《ふとざお》をやっている」 全く珍しいことです。日本アルプスの麓《ふもと》....
雑記帳より(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
三 文楽の義太夫を聞きながら気のついたことは、あの太夫の声の音色が義太夫の太棹の三味線の音色とぴったり適合していることである、ピアノ伴奏では困るのである。....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
素人の浄瑠璃会がよく催された。盲目の浄瑠璃の師匠を父が世話して家を持たせていた。太棹も、見台も自分用のを持っていた。 母、祖母、姉たち、武村(分家)の叔母、従....
一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
ョトンとして居睡《いねむ》りの出そうな長閑《のどか》な顔をしていた。 すると、太棹《ふとざお》の張代えを持って来て見せていた、箱屋とも、男衆とも、三味線屋とも....
寄席行灯」より 著者:正岡容
っていると猿廻しが浄瑠璃の「堀川」のサワリの替唄で起こしてやる。ここで下座の女に太棹の三味線を弾かせ、 ※お起きやるか、目痛《めいた》や目痛やなア、ウヤ源さ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
から、ゴウゴウゴウと何処かの無電がしっきりなく邪魔をしかけて、それからの義太夫も太棹も聴いてる方で頭を鑢でこすられるようで苦しかった。 翌朝はまだ暗いうちから....