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太白
「太白〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
太白の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
鶯なぞと云うものはない。が、僕の恋をしている女はある。僕が去年の秋以来、君たちと
太白《たいはく》を挙げなくなったのは、確かにその女が出来たからだ。しかしその女と....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
か? 僕は未だに覚えている。月明りの仄《ほの》めいた洛陽《らくよう》の廃都に、李
太白《りたいはく》の詩の一行さえ知らぬ無数の蟻の群を憐《あわれ》んだことを!
....
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
て、境内にも雑多の店が居並んでいた。お島は久しく見たこともないような、かりん糖や
太白飴《たいはくあめ》の店などを眺《なが》めながら本堂の方へあがって行ったが、何....
「突貫紀行」より 著者:幸田露伴
うるに似たり。赤き岸、白き渚《なぎさ》あれば、黒き岩、黄なる崖《がけ》あり。子美
太白《しびたいはく》の才、東坡柳州《とうばりゅうしゅう》の筆にあらずはいかむかこ....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
、赤木桁平が、帷子の上に縞絽の羽織か何かひっかけてやって来た。 赤木は昔から李
太白が贔屓で、将進酒にはウェルトシュメルツがあると云うような事を云う男だから、僕....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
者の加算たる和が大きくなる。)例えば*芭蕉や、ゲーテや、ニイチェや、ランボー、李
太白《りたいはく》やが、悉《ことごと》く皆そうであった。彼等は一方で熱烈なる生活....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
けれど、京千代と来たら、玉乗りに凝ってるから、片端から、姉様も殿様も、紅い糸や、
太白で、ちょっとかがって、大小|護謨毬にのッけて、ジャズ騒ぎさ、――今でいえば。....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
》を甲斐《かい》の口《くち》にキュッと締めて、単衣《ひとえ》には水色《みずいろ》
太白《たいはく》の糸で袖口の下をブツブツかがり、その末が房になってさがっているの....
「岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
「李広の後裔だということだね」 「涼武昭王※の末だよ」 ――青蓮居士謫仙人、李
太白の素性なるものは、はっきり解っていないらしい。 金持が死ぬと相続問題が起こ....
「多神教」より 著者:泉鏡花
着に存じ奉る。 巫女 お喜びを申上げます。 媛神 (梢を仰ぐ)ああ、空にきれいな
太白星。あの光りにも恥かしい、……私の紅い簪なんぞ。…… 神職 御神、かけまくも....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
さん。そりゃ、僕だって三史や五経の教訓の立派なことくらいようく分っています。「李
太白」だって僕には涙の出るほど有難い書物です。だけど、あの教義をただ断片的に暗誦....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
へ下ろうという都合《つもり》。 大阪には、先年長逗留の間、先生の創見にかかわる
太白砂糖《たいはくざとう》の製法を伝授して大いに徳とされ、富裕《ふゆう》・物持《....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
られるのです。何品でしたか、鼠色で一面に草花の模様でした。袖口だけ残して、桃色の
太白二本で、広く狭く縫目を外にしてありました。 「ほととぎす殺しという所だね」と....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
嫌いな、一番嫌いな、何より好かない、此家へ縁付いてしまったんです。ほ、ほ、ほ。」
太白の糸を噛んだように、白く笑って、 「乱暴でしょう。乱暴、乱暴だけど、あの一番....
「天草の春」より 著者:長谷健
耶山耶呉耶越 水天髣髴青一髪 万里泊舟天草洋 煙横蓬窓日漸没 瞥見大魚波間跳
太白当船明似月 折角の詩碑が、かつて幅を利かせた忠魂碑かなんぞのように、厳然....