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太秦
「太秦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
太秦の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
半長右衛門すらあり得ない。
「暮れて帰れば春の月」と蕪村の時代は詩趣満々であった
太秦を通って帰る車の上に、余は満腔の不平を吐く所なきに悶々した。
斯く云う自分....
「雑録」より 著者:山中貞雄
して常に青年らしい野心を深く包んで黙々として芸道に精進している。 それを此の度
太秦発声で「清水次郎長」に出演している一党の態度を見て僕は一入感を深くした。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「あの形《かた》がいいね」 侍たちの間での囁《ささや》き。 「後ろにあるのは、
太秦形《うずまさがた》の石燈籠、それを背中にして、あの通り三味を構えた形は、女乞....
「姨捨」より 著者:堀辰雄
を、女は何がなしいつまでも見送っていた。 晩秋の一日、女は珍らしく思い立って、
太秦《うずまさ》へ父の無事を祈りに、ひとりで女車に乗って出掛けた。一条へさしかか....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ように感ぜられる。鶴見は、そこに、はからずも、畏しこげな御影を仰ぎ見たのである。
太秦広隆寺の桂宮院に納めてある太子の御尊像そっくりであった。左右に童子を随えて、....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
である。御室の仁和寺は北に見え、妙心寺は東に見えている。野路を西へ辿ったならば、
太秦の村へ行けるであろう。 その野路をあてもなく、秋安は西の方へ彷徨って行く。....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
人が連立って嵐山の紅葉を見に行ったのは。 当時を回想する余の眼の前にはたちまち
太秦あたりの光景が画の如くに浮ぶ。何でも二人は京都の市街を歩いている時分からこの....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
この考察のためにはちょうど都合のよい二つの傑作が京城の博物館にある。一つは京都|
太秦の広隆寺の、胴体の細い弥勒像に似たものであり、もう一つはこの如意輪観音に似た....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
するという目ざましい手腕を見せたが、その間に抜目なく私財も積み、なお深草の長者|
太秦《うずまさ》王の次女の朝霞子《あかこ》を豊饒な山城十二ヶ所の持参金つきで内室....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
なぐさめるために、このさい、一大寺を建立したい。 それには嵐山を望む大堰川から
太秦のあたりまでをふくむ亀山上皇の離宮のあとがある。その地域をあてて、寺名も北朝....