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太腿
「太腿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
太腿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ず射出した矢に、まず肝を破られた。まっさきに進んだ真木島《まきのしま》の十郎が、
太腿《ふともも》を箆深《のぶか》く射られて、すべるようにどうと倒れる。それを始め....
「雪後」より 著者:梶井基次郎
切口を覗かせている例の切通し坂だった。 ――彼がそこへ来かかると、赤土から女の
太腿《ふともも》が出ていた。何本も何本もだった。 「何だろう」 「それは××が南....
「地球盗難」より 著者:海野十三
て変に足を引いていたが、それも道理、彼の右脚は膝頭のところから下がない。有るのは
太腿に縛りつけた棒杭の義足ばかりだった。 彼は明るく燃える松の木の傍にこわごわ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、口綱をとって行く主人と調子が合わなかった為、一寸した阪路を下る車に主人は脾腹と
太腿をうたせ、二月も寝る程の怪我をした。寺本の馬は、新宿で電車に驚いて、盲目の按....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
肩怒りて頸を没し、二重の顋直ちに胸につづき、安禄山風の腹便々として、牛にも似たる
太腿は行くに相擦れつべし。顔色は思い切って赭黒く、鼻太く、唇厚く、鬚薄く、眉も薄....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
これを喰え」 ピストルは一発、発射された。 それは見事に刑事の左脚に命中し、
太腿のところから千切ってしまった。貫一の使っているのは特殊な破壊弾であったから、....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
るように吸って、こんがりと焼け上った気味だ。 唐木机の脚、かぶと虫の兜、蟋蟀の
太腿――強健なものは、多くの場合に焦茶色にくすぶっている。 夏末に雑木林を通る....
「独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
き、博士の右足をつかんで、えいと引いた。すると、すぽんと音がして、博士の右脚が、
太腿のあたりから抜けた※ 4 ……と見えたが、驚くことはない、実は金....
「火薬船」より 著者:海野十三
してあたまを下げた。 脚が不自由だという。見れば、なるほどこの虎船長の両脚は、
太腿のところからぷつりと両断されて無い。 このように脚が不自由だから、岸隊長を....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
根に寄せて、顔には何やら、悩ましげな表情を漂わせていた。 しかし、息をあえいで
太腿を改め、凍りついた、腐肉の上に瞳を凝らすと、やはりそこにはグレプニツキーの言....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
それ以後此の方に、竜樹菩薩の化影が現われるようになりました」 「それは庵主、この
太腿で、一目瞭然たるものなんですよ」法水が白々し気に云い返した。「内側へ捻れてい....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
咽喉に叫ばしたのだった。男がよろめいて、前へのめる力を、そのまま引いて、さっと、
太腿を払った引倒しの一手。どどっ、板の間に、壁に、天井に響いて、男はうつ伏せに、....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ところの坊主鷲はだんだん下の方に降りて来て、その墓場の近所に集るです。まず最初に
太腿の肉とか何とか良い肉をやり出すと沢山な鷲が皆舞い下って来る。
もっとも肉も....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
失せないのです。なんという、人魚のような婀娜やかさだろうと思いました。頸筋、背、
太腿も露に、真っ白なからだに二人とも水着を着けて、その水着がズップリ濡れてからだ....