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「太鼓橋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

太鼓橋の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
陽の射した空の下に青どろんで見えた。そこには湖の中へ通じた長い堤もあった。堤には太鼓橋になった石橋が処どころに架って、裸木の柳の枝が寒そうに垂れていた。 喬生....
旅愁」より 著者:横光利一
惑して行くべきなんだが、まア、この度びは遠慮をした方が良さそうだな。」 と彼は太鼓橋の欄干に膝をつけて笑った。 「あたしはお伴してもいいんですのよ。でも、何ん....
縁結び」より 著者:泉鏡花
あんなに日当りで、車は母衣さえおろすほどだったのが、梅雨期のならい、石段の下の、太鼓橋が掛った、乾いた池の、葉ばかりの菖蒲がざっと鳴ると、上の森へ、雲がかかった....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
えではじめるんですから、だまし討ちということは、ございませんです」 「たれかを、太鼓橋のたもとへ追い詰めたというのは?」 「あれは、食い逃げだったの。防犯に協力....
高原の太陽」より 著者:岡本かの子
ぼかして現実でもなく非現実でもない中間の世界を見出した。 白い砂と碧い池の上に太鼓橋が夢のように架っている。あちこちの松の立木が軽く緑を吹きつけたように浮いて....
雪柳」より 著者:泉鏡花
と、目が眩みます、藤の花が咲いていたか、まだだったか、それさえも覚えていません。太鼓橋の池のまわりの日当りの石に、順礼の夫婦が休んでいて、どうでしょう、女房が一....
車上の春光」より 著者:正岡子規
じがある。遅桜がさかりで藤はまだ短い、という事を歌にして見たが一向に面白くない。太鼓橋を人の渡る処を詠《よ》もうと思うたが、やはり出来ぬ。それを用いて恋歌を詠ん....
」より 著者:岡本かの子
ころの川の両側から畳み出した石の反り橋があるの、ありゃ珍らしい。 ――この辺では太鼓橋といっとる。木食上人が架けたというが、たぶん、南蛮式とでもいうのだろう。 ....
牡丹灯籠 牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
陽の射した空の下に青どろんで見えた。そこには湖の中へ通じた長い堤もあった。堤には太鼓橋になった石橋が処どころに架って裸木の柳の枝が寒そうに垂れていた。 喬生は....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
の流行であろう。僕等は拝殿の前へ立ち止まり、ちょっと帽をとってお時宜をした。 「太鼓橋も昔の通りですか?」 「ええ、しかしこんなに小さかったかな。」 「子供の時....