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夫の子
「夫の子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夫の子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
眺めながら、青田《あおた》の間《あいだ》を歩いて行った。するとたちまち道ばたに農
夫の子らしい童児が一人、円《まる》い石を枕にしたまま、すやすや寝ているのを発見し....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
い何者に当るのでございましょうか。だいたい先夫遺伝といえば、前の夫の影響が、後の
夫の子に影響するのを云うのですけど、たいていは、皮膚か眼か髪の色か傷痕くらいのと....
「志賀直哉氏の作品」より 著者:菊池寛
る事が残酷のように思われて、一年延ばす事を承諾する。一年が経つ。そのうちに女は情
夫の子を産む。今度は女の方から一年の延期を言い出す。そして又一年経つ裡に女は情夫....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ゅう総がかりで事に当たった。その時になって見ると、金兵衛の養子伊之助といい、九太
夫の子息九郎兵衛といい、庄兵衛の子息庄助といい、実際に働けるものはもはや若手の方....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
東京からの汽車賃を倹約するためにいつも五里の道を歩いてくるのである。 投手は馬
夫の子で松下というのである、かれは十六であるが十九ぐらいの身長があった。ちいさい....
「『尚書』の高等批評」より 著者:白鳥庫吉
道の理想を舜に、勤勉の理想を禹に假托せるならんか。 なほ考ふるに、舜はもと一田
夫の子、いかに孝行の名高しと雖、堯が直に之を擧げて帝王の位を讓れりといへる、その....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
の思いを見ぬいて安心しているのかも知れなかった。 私は半年ほど前にも、女房の前
夫の子供をひきとるか否か、一週間ぐらい考えたことがあった。その子供は女房の母のも....
「俊寛」より 著者:倉田百三
伏せる) 漁夫二 盗人め! (俊寛の顔を打つ) 俊寛 (顔をおおうて地に伏す。漁
夫の子供火のつくように泣く) 漁夫二の妻 (けんどんに子供をゆすぶりながら)ほえ....
「愛の為めに」より 著者:甲賀三郎
うと、そりゃ情けなかった。けれども赤ちゃんはほんとうに可愛くて仕方がない。これが
夫の子なら、この子のお母さんさえ承知なら私は喜んで育てるわ。私は心から夫を愛して....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
なって、間もなく朽ちおちてしまい、不幸な先生の幽霊が出るといわれたものである。農
夫の子が、静かな夏の日ぐれに家路をたどるときには、しばしばあの先生の声が遠くに聞....
「盗難」より 著者:佐藤垢石
明けたところ、案のじょう直ぐ承諾してくれました。そのとき義兄が申すに、当方には丈
夫の子供が三人もいる。だから、これから産まれる子供の一人ぐらいは問題ではない。 ....
「ローマ法王と外交」より 著者:国枝史郎
う点ではこのグレゴリオ七世が最上であるように思われる。法王は大工の子であるとも農
夫の子であるともいわれ、微賎の産れであることは疑いなさそうである。約二十五年間に....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
を見てもらえまいかと頼まれた。喜兵衛は納得して幸手へ行き、若後家の入夫となって先
夫の子を守育て、傾き掛った身代を首尾よく盛返した。その家は今でも連綿として栄え、....
「城」より 著者:カフカフランツ
のような光を与えていた。女は乳呑児を胸に抱いている。女のまわりには、見ただけで農
夫の子供たちとわかるような二、三人の子供たちが遊んでいた。しかし、女はこの子供た....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
東条片海の石中の賤民が子なり」とあるのと相俟って、彼が漁家となるとあって、その漁
夫の子たることを認めているのである。聖人は事実漁家の子として生れられたのであった....