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「夫妻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夫妻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妙な話」より 著者:芥川竜之介
ふり返って見たが、後には赤帽も何もいない。いるのはこれも見知り越しの、海軍将校の夫妻だけだった。無論この夫妻が唐突《とうとつ》とそんな事をしゃべる道理もないから....
将軍」より 著者:芥川竜之介
須野《なすの》の別荘に、将軍を訪れた時の事だった。その日別荘へ行って見ると、将軍夫妻は今し方、裏山へ散歩にお出かけになった、――そう云う別荘番の話だった。少将は....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
る事が出来ましょう。 しかし、私が閣下にこう云う事を御訴え致すのは、単に私たち夫妻に無理由な侮辱が加えられるからばかりではございません。そう云う侮辱を耐え忍ぶ....
或る女」より 著者:有島武郎
群集の間に船員の手からおろされた。 けたたましい汽笛が突然鳴りはためいた。田川夫妻の見送り人たちはこの声で活を入れられたようになって、どよめき渡りながら、田川....
婦系図」より 著者:泉鏡花
んだ、宏大な別荘の設が有って、例年必ずそこへ避暑する。一門の栄華を見よ、と英臣大夫妻、得意の時で、昨年は英吉だけ欠けたが、……今年も怪しい。そのかわり、新しく福....
去年」より 著者:伊藤左千夫
て死んだ。このことは当時お知らせしたことで、僕も書くにたえないから書かない。僕ら夫妻は自分らの命を忘れて、かりそめにもわが子をやっかいに思うたことを深く悔い泣い....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
をこじらし、ずっと家に引込んでいる。 ◯九州連日爆撃に、鹿児島の家のことと、永田夫妻の安否を心配している。前にはこっちが心配せられ、今はこっちがあっちを心配しつ....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
博士を護って、一行は目黒《めぐろ》行人坂の博士邸へ入った。 雑用係の川北老夫妻と、研究生小山すみれ嬢とがびっくりして博士の帰邸を迎えた。 目賀野の指図《....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
った。 「あれは一体なんだい」 僕は呆れかえって思わずそう叫んだ。するとベラン夫妻がくすくすと笑った。あとの三人は笑わなかった。 「早速ですが、われわれ六名の....
火葬国風景」より 著者:海野十三
彼は勤めに出ても、鼠谷のことが気になって仕事が手につかなかったが鼠谷は、別に彼等夫妻に危害を加えようとする気配もないばかりか、次の年にはチャンと人並な年賀状を寄....
転機」より 著者:伊藤野枝
いて知り得たのは、三年か四年も前のことだ。その頃私の家に一番親しく出入していたM夫妻によって、初めて私はかなりくわしく話して聞かされた。 ある日――それはたし....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
三月 一日 王立協会の助手となる。 同 十月 十三日 サー・デビー夫妻に従って欧洲大陸に出立す。 一八一四年 イタリアにあり。 一....
楠公夫人」より 著者:上村松園
|甘南備の郷字矢佐利の住人、南江備前守正忠の末の妹で、幼い時に父母に訣れ、兄正忠夫妻の教育を享けて成人した淑徳高い女性である。 それで南江備前守の肖像でも――....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
沼南の肩を叩いたり膝を揺ったりして不行儀を極めているので、衆人の視線は自然と沼南夫妻に集中して高座よりは沼南夫妻のイチャツキの方に気を取られた。沼南の傍若無人の....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
衝突が度々繰返された。その間の紛糾んだ事情は余り深く立入る必要はないが、左に右く夫妻の身分教養が著るしく懸隔して、互に相理解し相融合するには余りに距離があり過ぎ....