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「夫恋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夫恋の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海異記」より 著者:泉鏡花
、鶏の音に驚きて、児と添臥の夢を破り、門引きあけて隈なき月に虫の音の集くにつけ、夫恋しき夜半の頃、寝衣に露を置く事あり。もみじのような手を胸に、弥生の花も見ずに....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
よ。」 そんなことを言って、京には美しい人も多いと聞くなぞと遠回しににおわせ、夫恋う思いを隠しかねている友人の妻が顔をながめると、半蔵はわずかの見舞いの言葉を....
源氏物語」より 著者:紫式部
た。 「さあ弾いてごらんなさい。芸事は人に恥じていては進歩しないものですよ。『想夫恋』だけはきまりが悪いかもしれませんがね。とにかくだれとでもつとめて合わせるの....
源氏物語」より 著者:紫式部
た。この情趣に大将の心はいっそう惹かれて、より多くを望む思いから、琵琶を借りて想夫恋を弾き出した。 「自信のあるものらしく見えますのが恥ずかしゅうございますが、....
「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
居る様子はまがうかたなく小督殿の爪音である。楽は何かときくと男思うて恋うとよむ想夫恋をひいて居られる。楽は沢山あるのに只今此の楽をおひきになるあわれさ、仲国「お....
魔像」より 著者:林不忘
る。 夫婦の情愛に新古《しんこ》はないはず。 短くして破られた二ツ枕の夢――夫恋《つまこ》う鹿の細ぼそと鳴くにも似て、園絵が、こう毎日くり返す想いを、また、....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
時々逢うに過ぎなかった当時の事情では、この感情は特に強まりやすかったに相違ない。夫恋しさに死を思うほど熱して行く妻の情緒は、それでなくては解し難い。わたしばかり....