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夭折
「夭折〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夭折の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
」に加えたいのは勿論《もちろん》この姉のことではない。丁度僕の生まれる前に突然|
夭折《ようせつ》した姉のことである。僕等三人の姉弟の中でも一番賢かったと云う姉の....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
朝がその好奇から京師の風俗を取り入れた時、一緒に造顔師も呼び迎えたが、その実朝は
夭折し、造顔師はほとんど途方に迷い、初めて都会を彷徨い出で田舎稼ぎをするようにな....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
って見ると、野村が生れた年は父は三十三歳だった。日記にも書いてある通り、上の子が
夭折したので、生れて来る子供に対して、父が大へん喜んでいる有様がよく分るので野村....
「死生」より 著者:幸徳秋水
寿を全うして死ぬのでなく、即ち自然に老衰して死ぬのでなくして、病疾其他の原因から
夭折し、当然享くべく味うべき生を、享け得ず味わい得ざるを恐るるのである、(第二)....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
かしい。かのハルトマンの哲学を抱いて帰朝なすった頃の博士が慕わしい。思えば独歩の
夭折は私らにとって大きな損失であった。 底冷たい秋の日影がぱっと障子に染めたか....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
して死ぬのでなく、すなわち、自然に老衰して死ぬのでなくして、病疾その他の原因から
夭折し、当然うけるであろう、味わうであろう生を、うけえず、味わいえないのをおそれ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
的に前者を具えていることもある。が、後者は是非とも之を教育の力に待たねばならぬ。
夭折せる小児の教育の一手段としては、しばしば之を霊媒の躯につけて、地上生活の経験....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
素姓 中学時代の同窓にNという頭のいい男がいた。海軍少尉のとき、肺を病つて
夭折したが、このNの妹のK子が私の妻となつた。 妻の父はトルストイにそつくりの....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
てナマコをほしたイリコというものを大昔から欠かさず奉っている。 中原中也という
夭折した詩人が 「陸のコンニャク海のナマコ」 と呪文を唱えて大そう怖れていたが....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
泉は、二つ岳の背後にあって、南方の平野からは望めぬが、私は十七、八年前、幼くして
夭折した二男のやまいをここで養ったことがあった。丈夫でいれば、予科練へでも入った....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
騒然としたそうです。 森の家を嗣いでから祖母を迎えましたが、最初に出来た長子が
夭折し、次に生れた長女はひ弱くて心細かったのでしょう、その頃|石見国美濃郡に高橋....
「熱情の人」より 著者:久保栄
ラインハルト演出が行われ、またモスコオのテアトル・ワフタンゴワで、ワフタンゴフの
夭折後、幾度かワフタンゴフ演出が繰返されるのと軌を一にした現象であるが、日本の劇....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
えて、同志社大学に君独特のスタイルでのフィヒテ哲学を講じつつあった間に、惜しくも
夭折してしまった。そして死を期していた私は病癒えて、塵労の中にたたかいつつ生きて....
「冷かされた桃割娘」より 著者:上村松園
される席画を淡々と描いてる風景など、昔を今になすよしもがなです。竹園さんはその後
夭折され、梅園さん、絵専の中井宗太郎教授の姉さんは今もなお御健在です。思えば瞼に....
「貧乏線に終始して」より 著者:小川未明
楽すべきこともあったのにと考えると、親として、悔恨の深いものがあります。そして、
夭折した二児のことを考えるたびに、せめて、正しく生きる為には、余生をいかなる苛竦....