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失せる
「失せる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
失せるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
りません。」
「あなたに逆《さから》うものは亡びます。」
「御覧なさい。闇が消え
失せるのを。」
「見渡す限り、あなたの山、あなたの森、あなたの川、あなたの町、あ....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
》と)黄泉の使も情《なさけ》だけは心得ているつもりなのです。
使、突然また消え
失せる。
小町 ああ、やっと助かった! これも日頃信心する神や仏のお計《はか》....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
笑う)生意気な! わたしのマントルの力を見るが好い。(マントルを着る。同時に消え
失せる) 王女 (手を打ちながら)ああ、もう消えてしまいました。わたしはあの人が....
「海異記」より 著者:泉鏡花
何だって、あれだよ、そんなに夜があけて海のばけものどもさ、するする駈け出して
失せるだに、手許が明くなって、皆の顔が土気色になって見えてよ、艪が白うなったのに....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
的な麻痺の上に立っているがゆえにもはや麻痺の心配はないが後者は麻痺によって感激が
失せると演技が著しく生彩を欠いてしまう。 ことに演技中に落涙を要求する場合など....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
百万人。これは樺太、台湾を除く人口の六分の一に当たる。都市戦災八十市、うち大半焼
失せるもの四十四市なりと。 ◯遠藤長官発表して曰く「戦前の飛行機生産高は月産五百....
「春昼」より 著者:泉鏡花
、安く買い込んでまた儲ける。行ったり、来たり、家の前を通るものが、金子を置いては
失せるのであります。 妻子眷属、一時にどしどしと殖えて、人は唯、天狗が山を飲む....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
無いお雪である。 これを聞いて渠は思わず手を差延べて、抱こうとしたが、触れば消
失せるであろうと思って、悚然として膝に置いたが、打戦く。 「遅くなりまして済みま....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
。魂は永遠に知識の前進に対する欲求を棄てない。人間的慾情、人間的願望は肉体と共に
失せるが、魂には純情と進歩と愛との伴える、浄き、美しき生活が続く。それがまことの....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
やし、半ば僕の視野を塞いでしまう、が、それも長いことではない、暫らくの後には消え
失せる代りに今度は頭痛を感じはじめる、――それはいつも同じことだった。眼科の医者....
「薬」より 著者:井上紅梅
る。一本が顫え声を出すと、空気の中に顫えて行ってだんだん細くなる。細くなって消え
失せると、あたりが死んだように静かになる。二人は枯草の中に立って仰向いて鴉を見る....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
側ならべの肉が、鍋へ入ると、じわじわと鳴ると斉しく、箸とともに真中でじゅうと消え
失せる。注すあと、注すあと、割醤油はもう空で、葱がじりじり焦げつくのに、白滝は水....
「山吹」より 著者:泉鏡花
一旦夢がさめますると、その罪の可恐さ。身の置所もござりませぬで。……消えるまで、
失せるまでと、雨露に命を打たせておりますうちに――四国遍路で逢いました廻国の御出....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
ゃ、お前さんの話が耳に入って、少し附かぬことを聞くようじゃけれど、今のその剃刀の
失せるという日は、確か十九日とかいわしった、」 「むむ、十九日十九日、」と、気乗....
「迷信解」より 著者:井上円了
て、少しも他人の目に見えぬと申すことじゃ。また近年、信州および上州地方にて蚕児の
失せることがある。それは、オサキの飼い主がオサキをつかって盗ましむるのであると申....