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失墜
「失墜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
失墜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
この時である。が、理性は一度|脅《おびやか》されても、このくらいな事でその権威を
失墜しはしない。思わず、M・C・Cの手を口からはなした本間さんは、またその煙をゆ....
「片信」より 著者:有島武郎
ながら彼らの育ち上がった環境は明らかに第四階級のそれではない。ブルジョアの勢いが
失墜して、第四階級者が人間生活の責任者として自覚してきた場合に、クロポトキン、マ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
れは既に社会にまで拡大された意味をもっている。そして何故に現在の宗教がその権威を
失墜してしまったか。昔は一国の帝王が法王の寛恕を請うために、乞食の如くその膝下に....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
とする古典的ギリシアの昔にもあったものであり、更にまた天上の楽園並びに罪過による
失墜に関するカルデアの伝説にも見出さるるものであるが、これは自然の研究に基づいて....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
冊としては、詩歌に俳句に、繍口錦心の節を持すべきが、かくて、品性を堕落し、威容を
失墜したのである。 が、じれったそうな女房は、上気した顔を向け直して、あれ性の....
「男女の交際について」より 著者:坂口安吾
て無難なもので、悪く気を廻さぬ方がよいものだ。 終戦後、親たちの権威や道義感が
失墜し、青年たちに自律性が現われたことは喜ぶべきことで、先日ダンスホールの支配人....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ずで、泥棒をふんじばるには持ってこいだが、国際的な社交場へつれてくると必ず国威を
失墜するという念入りの男。そのくせ当人は社交場へでるのが好きで仕様がない。お前、....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
すれば、その時こそ、大伴ノ御行は必ずや地下人かさもなければ、それ以下の庶民にまで
失墜するであろう。………(中央を向き、感慨深く)ああ、平安の都もどうやらこれでし....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
して、前後数年の久しきにわたり目的を達するを得ず、徳川三百年の積威はこれがために
失墜し、大名中にもこれより幕命を聞かざるものあるに至りし始末なれば、果して外国人....
「赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
あった。隅田、高橋の両武将が、もろくも正成のために渡辺の橋で破られ、関東の武威を
失墜するや「大軍すでに利を失いました後、小勢を以て向いますること、如何あらんかと....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
る間は、味方の大小名も虫を押さえて彼等の前に膝をかがめていたが、その信用も権威も
失墜して、かれらを生かすも殺すも勝利者の心まかせという場合になると、一人も身を楯....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
十七世紀初頭という遠い将来のことである。目下の情勢を簡単に説明すればラレイの名誉
失墜と禁錮である。ラレイは女王の侍女の一人エリザベス・スログモオトンとの情事で、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
徒然のあまり、シナ革命の一絶を賦して、同乗梁振華氏に贈る。 霹靂夜来天地轟、黄竜
失墜満廷驚、暁窓傾、四百余州革命声。 (はげしくなる雷が夜どおし天地にとどろき、....
「正に芸術の試煉期」より 著者:小川未明
愛欲の生活のために若くは、自己|韜晦のために、筆を採るというように、作家の意気を
失墜するものがあると考えられる。たしかに、いまの場合がそれではなかろうか? 私....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
わせるのです。そのときは、もうたいして自分には興奮もない世の中ですが、その代り、
失墜の心配もない。たいして得も取らせなければ、たいして損もさせない世の中です。 ....