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失心
「失心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
失心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
って、そのまましばらくは呼吸さえも止るような心地が致しました。また実際その間は、
失心したも同様な姿だったのでございましょう。ようやく我に返って見ますと、同僚は急....
「影」より 著者:芥川竜之介
あった。
もしこんな状態が、もう一分続いたなら、陳は戸の前に立ちすくんだまま、
失心してしまったかも知れなかった。が、この時戸から洩れる蜘蛛《くも》の糸ほどの朧....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
しまった。………
その夜《よ》も三更《さんこう》に近づいた頃、オルガンティノは
失心の底から、やっと意識を恢復した。彼の耳には神々の声が、未だに鳴り響いているよ....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
発見したのです」 私は相良氏に、松風号が空間に夢の如く浮遊しているのを見せて、
失心させたことも話した。その結果、相良氏が、兼ねて研究中の宇宙艇にとびのって火星....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
意をもって、機会を見ては、巧みに、煽動した。居合わせた婦女子は、駭きのあまりに、
失心する者が多かった。正義人道を口にするものが、四五人もいて頑張れば、群衆の冷静....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
束の日という昨夜になって、カンカン寅が突然警察へ監禁されてしまったので、爺さんは
失心せんばかりに駭いた。顔色を変えてカンカン寅の留守宅へ行って、いままでの事情を....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
と大江山捜査課長とが入ってきたのだ。 噴泉を停め、ジュリアを抱き起すと、彼女は
失心からやっと気がついた。 「どうしたのです。そして千鳥さんは……」 「ああ、千....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
でる。なにしろ一瞬のできごとだった。そしてそのあと、艇員たちは数十分間にわたって
失心していた。やっと、ぼつぼつ気がついた者がでてきて、それから同僚を介抱した。し....
「海底都市」より 著者:海野十三
うなかっこうで立っている。こっちには大木が、黒|焦《こ》げになった幹をくねらせて
失心状態をつづけている。僕の立っている足もとには、崩れた瓦《かわら》が海のように....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
生活力の九割がたを失ったようなものだと思った。伯爵はがっかりして、肘掛椅子の上に
失心してしまった。 袋探偵登場 やがて伯爵は、失望の中から起きあがった。....
「金属人間」より 著者:海野十三
士《はくし》は、とくいのようすだ。 それにひきかえ、蜂矢探偵はまっさおになり、
失心《しっしん》の一歩手前でこらえていた。もしもかれが、金属人間事件の責任ある探....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
――ああ、もし、半之丞さま。虎松で厶いますよ」 と、死闘の場を窺いながら、半ば
失心の体の男の袖を引くと、かの男は邪慳に袖を払って、スタスタと出る。 「もし、半....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
。」といったが、あわれ身を支えかねたか、またどっさりと岩に腰を掛ける。 お雪は
失心の体で姿を繕うこともせず。両膝を折って少年の足許に跪いて、 「この足手纏さえ....
「山吹」より 著者:泉鏡花
あら、先生。(瞳を※くとともに、小腕しびれ、足なえて、崩るるごとく腰を落し、半ば
失心す。) 画家 (肩を抱く)ウイスキーです――清涼剤に――一体、これはどうした....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
め出した。その扉が背を圧するような、間近に居たから、愛吉は身動をしたが、かくても
失心の体で、立ちながら、貧乏ゆるぎをぞしたりける。 時に、ここを通り過ぎて、廊....