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失態
「失態〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
失態の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
き責任を担《にな》うべき事務長にかかる不埒《ふらち》の挙動ありしは、事務長一個の
失態のみならず、その汽船会社の体面にも影響する由々《ゆゆ》しき大事なり。事の仔細....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
「団長、ありゃ何です。今のあのすごい爆発はどうして起こったのですか、あの駆逐艦の
失態ですか、それとも――それとも異常海底地震の禍いですか、まさかそうではないでし....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
笑し、自分がよくないから深田を追い出されたように噂をする。いつのまか自分でも妙に
失態をやったような気になった。臆病に慚愧心が起こって、世間へ出るのが厭で堪らぬ。....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
る」 そういって総監は両手を出して、卓子の上に組んだ。 「実は市長このところ大
失態をやった。それは大事にしなけれアならんT市の黄金の鍵を二、三日前失ってしまっ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
火をつけようとした。新発田というのはそんな田舎だったのだ。 しかし僕は父が何の
失態で新発田へ逐いやられたのか知らない。週番で宮城につめていた時、何かの際に馬か....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
にはほぼ家運を挽回するようになった。 しかしその間は七八年間にもせよ、父のこの
失態の悔は強かった。父はこの騒ぎの間に愛する妻を失い、年頃前後の子供三人を失って....
「光は影を」より 著者:岸田国士
重々、反省悔悟はしておるが、お前たちもひとつ、お母さん同様、わしの父親としての大
失態を、寛大にゆるしてもらいたい」 きようだい三人は、いずれも、黙つて、聴いて....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
如き、その一端です。 ことに論外と思われるのは、以前には、地方出の無学な女中の
失態として笑い話になったようなとんちんかんな敬語を、この頃では、平気で、そのへん....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
たちの武勇が足らないように思われるばかりか、無断で海馬探検などに出かけて来てこの
失態を演じたとあっては、組頭からどんなに叱られるか判らない。さりとて今さら仕様も....
「暗号数字」より 著者:海野十三
う思いきって駅前の交番へとびこんだ。甚だ気がひけるがあまり頑張っていて更に大きな
失態をしては、事件の依頼主に対し相済まぬと思ったからである。 身分証明を見せる....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
会は啻だ鹿鳴館の一夕だけでなくて、この欧化時代を通ずる全部が仮装会であった。結局
失態百出よりは滑稽百出の喜劇に終った。が、糞泥汚物を押流す大汎濫は減水する時に必....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
工を駆使して大業を成しとげんとなすがごときは、滑稽といわざるを得ない。このような
失態を目前に見ながら、またぞろ人もあろうに、御殿山氏の陶工を招いて、青山氏が自邸....
「河豚は毒魚か」より 著者:北大路魯山人
や鯛もあるのに無分別 ふぐでなくても、無知な人間は無知のために、なにかで斃れる
失態は、たくさんの例がある。無知と半可通に与えられた宿命だ。 それでなくても、....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
らたら流れていた。とうとう彼は知った――おれは破滅だ――彼の全生涯は、この凄惨な
失態のなかに、木っ葉微塵と砕け去った。 ブレエスチャアチの町にくると、彼は友人....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
扶持方田地を書き上げた事が見えている。 しかるに享保九年六月頃、天部村の小法師
失態の事あって所役召上げられ、七石の扶持もお取上げになった。その後享保十二年に至....