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失明
「失明〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
失明の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
たびたびあった。現にある時は武者小路氏の戯曲さえ言い合いの種になった。その戯曲は
失明した兄のために犠牲的《ぎせいてき》の結婚を敢《あえ》てする妹のことを書いたも....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
頭の一章に吸い付けられて行った。 ――××六年九月四日、余は岩礁の間より、左眼
失明せる二十六、七歳の美わしき漂流婦人を救えり。所持品により、本籍並びに番匠幹枝....
「放送された遺言」より 著者:海野十三
一言にしてこれを蔽えば、彼らの無自覚は、不愉快きわまる強制と悲しむべき理性の
失明に起因しているのである。もっとこれをあからさまに言うならば、先に述べたような....
「赤外線男」より 著者:海野十三
りません」 「ダリア嬢の眼はどうです」 「ますますひどいようですよ。左眼は永久に
失明するかも知れません。右眼も充血がひどくなっているそうです」 「ダリア嬢は眼の....
「痴人の復讐」より 著者:小酒井不木
ならば、手術その他の方法で、ある程度まで治療することが出来ますが、重症ならば勿論
失明の外はありません。ことに疼痛が甚だしいために、それを除くには眼球を剔出するこ....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
りかえたり、不必要なものを附加したり、モデルを軽べつする事は、やがて神罰によって
失明するに至るであろう。 かくの如く忠実にして厳格なる写実によって、自分の前に....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たまま、沈痛な表情で奥の天人像に向って端座しているのだ。年齢は五十五、六、左眼は
失明していて、右眼だけをカッと瞶いている。燈芯のような躯の身長が精々五尺あるかな....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
人が、同じ室戸丸の高級船員だったことが明らかになれば、ぜひにも読者諸君は、それと
失明との関係に、大きな鎖の輪を一つ結びつけてしまうに相違ない。 そのおりウルリ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
おさえた。「痛みは癒りましてござりますが……」
「視力のほうは恢復しないか」
「
失明いたしましてござります」
「気の毒だな。気の毒に思う」すると兵馬は腰をかがめ....
「四月馬鹿」より 著者:織田作之助
ばしたくてうずうずしているようだった。 案の定東京へ帰って間もなく、武田麟太郎
失明せりという噂が大阪まで伝わって来た。これもデマだろうと、私はおもって、東京か....
「武田麟太郎追悼」より 著者:織田作之助
た。 しかし、そんな悲しい武田さんを想像することは今は辛い。やはり、武田麟太郎
失明せりというデマを自分で飛ばしていた武田さんのことを、その死をふと忘れた微笑を....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
味のある力強さを感ぜしめるは古今独歩である。 二 『八犬伝』および
失明後終結 『八犬伝』は文化十一年、馬琴四十八歳の春|肇輯五冊を発行し、連年ある....
「血の盃」より 著者:小酒井不木
あることは、古往今来その例に乏しくないが、良雄とあさ子との恋仲は、あさ子の突然な
失明によって、果敢なくも、良雄の方から、無理やりに結末がつけられたのである。とい....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
今おなりなさい。
(ファウストに息を嘘き掛け、退場。)
ファウスト(
失明して。)
夜が次第に更けて来たらしい。
だが心の中には明るい火が赫いている。....
「父の出郷」より 著者:葛西善蔵
た。今年の春伯母といっしょにはるばるとやってきて一泊して行った義母は、夏には両眼
失明の上に惨めな死方をした。もう一人の従弟のT君はこの春突然やってきて二晩泊って....