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失望
「失望〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
失望の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
い》に口髭《くちひげ》の手入れをした、都会人らしい紳士である。少年の顔に往来する
失望や当惑に満ちた表情。紳士は少年を残したまま、さっさと向うへ行ってしまう。少年....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
は。」
「山本様へいらっしゃいました。」
家内は皆、留守である。彼はちょいと、
失望に似た感じを味わった。そうしてしかたなく、玄関の隣にある書斎の襖《ふすま》を....
「河童」より 著者:芥川竜之介
なり、しばらくそこに転《ころ》がっていました。が、やっと起き上がったのを見ると、
失望というか、後悔というか、とにかくなんとも形容できない、気の毒な顔をしていまし....
「彼」より 著者:芥川竜之介
等はもう日の暮に近い本所の町を歩いて行った。彼も始めて顔を合せた彼の妹の心もちに
失望しているのに違いなかった。が、僕等は言い合せたように少しもその気もちを口にし....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
な輝きが目に宿っている。姦婦《かんぷ》――そう云う気が己はすぐにした。と同時に、
失望に似た心もちが、急に己の目ろみの恐しさを、己の眼の前へ展げて見せた。その間も....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
の外に見るもののないことを覚悟していた。しかしこう言う見すぼらしさはやはり僕には
失望に近い感情を与えたのに違いなかった。
※江丸は運命に従うようにじりじり桟橋....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
》いていた。だから時たまプラットフォオムにお嬢さんの姿を見ないことがあると、何か
失望に似たものを感じた。何か
失望に似たものを、――それさえ痛切には感じた訣《わけ....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
字と言う酒屋に嫁《よめ》に行ったです。」
熱心になっていた「な」の字さんは多少
失望したらしい顔をした。
「半之丞の子は?」
「連れっ子をして行ったです。その子....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
は父や義兄と一しょに、博士に来診《らいしん》の礼を述べた。が、その間《あいだ》も
失望の色が彼自身の顔には歴々と現れている事を意識していた。
「どうか博士もまた二....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
たのである。こう思った本間さんは、可笑《おか》しさと腹立たしさと、それから一種の
失望とを同時に心の中で感じながら、この上は出来るだけ早く、老人との問答を切り上げ....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
気楼《しんきろう》と云うんですかね?」
K君は顋《あご》を砂だらけにしたなり、
失望したようにこう言っていた。そこへどこからか鴉《からす》が一羽、二三町隔った砂....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
。それだけであります。」
「よし。」
旅団参謀は血肥《ちぶと》りの顔に、多少の
失望を浮べたまま、通訳に質問の意を伝えた。通訳は退屈《たいくつ》を露《あらわ》さ....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
しょっかく》たちが、私の顔色《かおいろ》を窺《うかが》っていました。ですから私は
失望の色が、寸分《すんぶん》も顔へ露《あら》われないように、気を使う必要があった....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
ト……
「台所用具。陶磁器類、硝子《ガラス》器類、金銀製器具……」
一冊の本に
失望したたね子はもう一冊の本を検《しら》べ出した。
「繃帯《ほうたい》法。巻軸帯....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
いでしょうか。」「新しい事は、これ以外には別にない」と言うたら、ファラデーは多少
失望して見えた。 ファラデーがある事実を知るのには、充分満足するまでやって見る....