失笑[語句情報] »
失笑
「失笑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
失笑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
たからである。
「パッキンレイはよかった。」こう云って、皆|一時《いちどき》に、
失笑した。
それから、自分たちは、いい気になって、この待合室に出入《しゅつにゅ....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
立てているのですからな。」
崋山は馬琴の比喩《ひゆ》があまり熱心なので、思わず
失笑しながら、
「それは大きにそういうところもありましょう。しかし改作させられて....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
生徒が席に復して、先生がそこを訳読し始めると、再び自分たちの間には、そこここから
失笑の声が起り始めた。と云うのは、あれほど発音の妙を極めた先生も、いざ翻訳をする....
「路上」より 著者:芥川竜之介
閃かせて、
「中位《ちゅうぐらい》。」と道破《どうは》した。
四人は声を合せて
失笑した。
「中位《ちゅうぐらい》は好かった。大人《おとな》もそう思ってさえいれ....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
女の嬌態《きょうたい》をする正体を発見したような、おかしみがあったので、彼はつい
失笑した。 「ずいぶん失礼ね」 「どうせあなたは偉いのよ」みち子は怒って立上った....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
が頭の手拭も査公《おまわりさん》だんべえ」と、警句一番、これにはヘトヘトの一行も
失笑《ふきだ》さずにはおられなかった。 元来盆踊りは先祖代々各村落に伝わり、汗....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
のを、」 背後を見返り、 「湯かい。見えなかったようだっけ。」 主税は堪えず
失笑したが、向直って話に乗るように、 「まあ、可い加減にして、疾く一人貰っちゃど....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
をポンポンくれているおのぶサンと、鯨狼をひき比べてみているうちに、折竹がぷうっと
失笑をした。それを見て、 「この人、気がついたね」 と、おのぶサンがガラガラッと....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
のこの面を、とっくり拝んで置け!」 と、続けたので、さすがの三好入道も、思わず
失笑しかけた。 しかし、男同志が名乗り合う厳粛な時だと、笑いを噛みしめて、 「....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
々々と云う文字を挟み、或いは頭蓋骨との接吻、単に接吻々々などと読む人をして思わず
失笑せしめる位に軽妙に書いてある。 余裕|綽々と云おうか、捨鉢と云おうか、云い....
「断層顔」より 著者:海野十三
が、彼の甥だけは老探偵の目をむかせる特技を持っていた。――帆村は目を大きくむいて
失笑した。 「惚れているとは……よくまあそんな下品な言葉を発し、下品なことを考え....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
や、違うのです、違うのです」 と強く打消した。そしてこんな打明け話をして一同を
失笑させた。 「もし殊勲者がありとすれば、それはうちの事務所の助手八雲千鳥嬢です....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
さ。原子力時代の世の中に非科学きわまる幽霊などにでられてたまるものか」 課長は
失笑した。しかしその声はいくぶん上ずっているように思われた。 「いや、とつぜん原....
「夜長姫と耳男」より 著者:坂口安吾
日おくれて、フル釜の代りに倅の小釜(チイサガマ)が到着した。それを見ると青ガサは
失笑して云った。 「馬耳の師匠だけかと思ったら、フル釜もか。この青ガサに勝てぬと....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
いことである。それこそ火を見るより明らかといえよう。野暮なおせっかいと心ある者は
失笑するばかりである。 茶を弁えたる者からいえば、今の茶碗では茶が飲めないと歎....