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失職
「失職〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
失職の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
暴露したものとしか思われなかった。毛利先生は生徒の機嫌《きげん》をとってまでも、
失職の危険を避けようとしている。だから先生が教師をしているのは、生活のために余儀....
「或る嬰児殺しの動機」より 著者:佐左木俊郎
は、だれも悪くないと思います。いまの社会がそうできているからだと思いますわ。父が
失職しなかったら……父が
失職しなかったら……」 鶴代はそう言って、また泣きだし....
「骨を削りつつ歩む」より 著者:佐左木俊郎
上の人達の強制的な要求だったので、私は遂に、文学から遠ざからない限りに於いては、
失職者とならなければならなかった。私はちょっとの間路頭に迷っていた。――文学をや....
「接吻を盗む女の話」より 著者:佐左木俊郎
まで残ることさえあった。 或る出版会社に勤める彼女の僅かばかりの月給では、夫の
失職中、そうでもしなければ、一家の生活を支えてゆくことがとても出来ないのだった。....
「簡略自伝」より 著者:佐左木俊郎
判|所雇、その他二三を転々として、東京市水道拡張課の土木監督となり、震災と同時に
失職。二カ月ほど土工をして旅費をつくり、郷家に転がり込む。 帰郷中、妻の出産と....
「試験管」より 著者:寺田寅彦
だ小屋の建築の見てくれの美観だけが問題になるようであるが、それでもまだこの門衛の
失職する心配は当分なさそうである。感官を無視する科学者も時にはにおいで物質を識別....
「今度こそ」より 著者:片岡鉄兵
で俺は云ってやった。 「兄弟、お前の云うなア尤もだ。全くこの不景気じゃア、一ぺん
失職したら飢死だ。が、それだから資本味を見せちゃならねえんだ」 おふくろれるだ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
ている。ほめられたからといって、どう生活がよくなる訳でもなく、悪口されたといって
失職するものでもない。 やがて秋の季節が終りを告げる時、額縁代と運送費を支払え....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
ている。ほめられたからといって、どう生活がよくなる訳でもなく、悪口されたといって
失職するものでもない。 やがて秋の季節が終りを告げる時、額縁代と運送費を支払え....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
きました。 私共の生活の第一番の困難は、貧乏という事でした。Tは私を救うために
失職しました。家にはその時から収入が途絶えたのです。そして私はその貧乏の中にとび....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
解決をつけてあげられるか、どうか、疑問だと思います。 まずこの事件の原因は夫が
失職して妻が働いたのが失敗の元ですな。この夫は手記の中で(第一の投書)外地の生活....
「泡盛物語」より 著者:佐藤垢石
私は、昭和のはじめ、世の中が一番不景気の時代に
失職してしまった。
失職当時は幾分の余裕はあったのであるけれど、食を求めて徒食して....
「一老人」より 著者:犬田卯
るに自分は……」 そう言ってやはり泣き出したという。ある家へ行っては、「自分は
失職しない前、砲兵工廠につとめて、何とかいう大佐から感状をいただいたこともある。....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
於いては、もと鴨河原や島田河原の葬送や放牧の世話をしていたものに、餌取・余戸等の
失職者が落ち合ったのを以て、所謂エタ源流中の本流とすべきものと解せられる。その中....
「妖影」より 著者:大倉燁子
っとした心の弛みから、飛んでもない過失をやる事がありますからねえ。気の毒に従兄も
失職して長い間遊んでいましたが、やっと先頃ある会社へ入りましたんですよ」 私は....