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失脚
「失脚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
失脚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青木の出京」より 著者:菊池寛
知れなかった。しかも、今自分はかなり得意な、自信のある位置にたち、青木は、数年前
失脚したまま、田舎に埋れていたはずだのに、その青木の声から、ある種の威圧を受ける....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
は、何処かにしんみりとしたところがあるので、古来寓意説があり、徒らに大望を懐いて
失脚したことなどを寓したというのであるが、この歌には、※鼠ぞこれ」(巻六・一〇二....
「時 処 人」より 著者:岸田国士
、最後にこんな一節があるのを紹介しよう。 一八一五年十一月の条約(註=ナポレオン
失脚後、フランスが英、独、露、墺、スエーデンなどと結んだ第二パリ講和条約)はフラ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
いうような、そういう人達とも交際があった。 後世田沼主殿頭が、まことにみじめに
失脚した時、それを諷した阿呆陀羅経が作られ、一時人口に膾炙したが、それを作ったの....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
父なる小左衛門が、わずか式第の仕損いから主殿頭に睨まれて役付いていた鍵奉行から、
失脚させられたという事が、数ヵ月前にあったからであった。 「側御用人の小身から、....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
綱吉侯は――大きな声では云えませんが、奥方の寝室の中で暗殺され、つづいて柳沢侯は
失脚しました。やはりこの壺はそういう意味から云うと、悪運の壺なのでございます」 ....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
あった。恋川春町、芝全交、平沢喜三二と云ったような当時一流の戯作者達はこの機会に
失脚し、京伝一人の天下となり大いに気持を宜くしたものであるが、寛政二年の洒落本禁....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
刊させようと思って、あんな危い記事を書いたわけではないが、しかし、ひそかにお前の
失脚を希う気持がなかったとは、言えなかったからだ。だから、廃刊になってみるとざま....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
いとも限らないんだぜ。さあ! 肚を落着けて待とう、待とう! 大納言を恋と名声から
失脚させるには我々の智慧の外に、最大の勇気と云うものを必要とするんだ。何よりもま....
「道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
またこの事件について最も反対側から憎まるべき筈の習宜阿曾麻呂(註一)が、道鏡
失脚後の新政において続々栄転した形跡のある事や、その反対に最も多く賞せらるべき筈....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
きときではなかった。伯爵の長い友情と高い寛仁と、そして感動的な渇仰を忘れて、その
失脚に笞打つ仲間に加わることが、どんなに嘆かわしい破廉恥であるかを、ベエコンは知....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
寺統の後醍醐天皇が即位されると、再び為世の時代がめぐってきた。しかも今度は為兼が
失脚したので為世の独擅場である。すぐその年、後宇多院から院宣が下り、中一年措いて....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
上ずッていたが、一つには倭が、その興行師としての手腕をあまりにふるいすぎたあげく
失脚したのと、一つには、団十郎菊五郎死後の、無残に中心をうしなった歌舞伎の世界の....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ある事が判ったであろう。時の勢いと見ねばならぬ。 モルトケ大将はマルヌに敗れて
失脚し、陸相ファルケンハインが参謀総長を兼ねる事になった。彼は軍団長の経験すらな....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
。これは実は私が見ておると中国の政治家というのは役人になるとよく人の首を切るが、
失脚するとスグにお寺にはいって南無阿弥陀仏を唱えて居士になる、ということをいうた....