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「奇問〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奇問の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
金鎖を神経的にいじっている。 「君電気鉄道へ乗ったか」と主人は突然鈴木君に対して奇問を発する。 「今日は諸君からひやかされに来たようなものだ。なんぼ田舎者だって....
婦系図」より 著者:泉鏡花
て、奥山を見ないとも限らぬ。その時いかなる必要があって、玉乗の看板を観ると云う、奇問を発するものがあれば、その者愚ならずんば狂に近い。鰻屋の前を通って、好い匂が....
深夜の市長」より 著者:海野十三
た。「ああーッ、どうですか、外の気温は……」 「ええッ……?」 僕はこの不意の奇問に面喰った。 「……つまりソノ、今夜は昨夜に比べて温いですか、寒いですかネ」....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ているのなら、それを、この拱廊でどういう具合に使うね」 「ボーデの法則※」検事は奇問に驚いて問い返したが、重なる法水の不可解な言動に、熊城と苦々しい視線を合わせ....
無系統虎列剌」より 著者:夢野久作
品のいい婦人だった。可愛そうに最早チャントした切髪姿で納まって御座ったが、吾輩の奇問には流石にビックリしたらしく眼をパチパチさせたよ。 「まあ……どうして御存じ....
ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
ある大新聞の記者と称する人が現在の筆者をたずねて来て某地の地震についていろいろの奇問を連発したことがある。あまりの奇問ばかりで返答ができないからほとんど黙ってい....
「迷いの末は」」より 著者:宮本百合子
派かトロツキー派か、どっちが有力なんだ。君聞かないか」などと日本の実際から離れた奇問は発しなかったであろう。「日本も累進率の税法で、これから文化がどしどし上る一....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
か、来たり喜之助とか、川流れの土左衛門とかいうものに対しては、どうです――という奇問に対しても、先生は少しも驚かず、いやしくも、人格を表明した存在物には、有名で....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
われて――事実には、じつに驚かされる場合が多い。だから私たちは、いつ何どきどんな奇問を浴びせられても動じないだけの用心をつねに必要とする。ちょっと親しくなるが早....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れたと思うね」と訊ねた。 「歴然たるものじゃないか」熊城は異様な所作に続く法水の奇問に、眼をパチクリさせたが、「とにかく見た通りさ。被害者は日和を脱いで大石に上....
物質とエネルギー」より 著者:寺田寅彦
の知識の範囲内にのみ行わるるものである。ポアンカレーは「方則は不変なりや」という奇問を発している。(大正四年頃)....
支那の狸汁」より 著者:佐藤垢石
義じゃありませんね。このごろの、自由主義者みたいなものじゃありませんか。 と、奇問を発した。....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
になったかあるいは空を飛んでお越しになったか」という話なのです。 という奇問。「私は鳥じゃああるまいし、そんな事は出来やしない」というと「しかしあなたに....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
殊と普賢菩薩は、どうしてあんなに並んでるんだろう。男と女でもないくせに」 と、奇問を発する。 お寺で育ったお通であるから、それについてなら、説明はできるが、....