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奇声
「奇声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奇声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
動物の天窓《あたま》を振返《ふりかえ》りさまにくらわしたで。
キッキッというて
奇声を放った、件の小坊主はそのまま後飛《うしろと》びにまた宙を飛んで、今まで法衣....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
。例の室内は硝子の破片がバラバラと雨のように降った。硝子の雨を浴びた一座のものは
奇声をあげているばかりで、逃げ出そうとする気配はなかった。どうやら、その前に、一....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
が鳴る様子がありません。 「どうしたんです。主人公は?」賀茂子爵が苛々した風で、
奇声を張り上げました。 「どう遊ばしたのでしょうか。私も先程から不思議に思ってい....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
「日本の潜水艦だッ」 「もう二分と経たない間に沈んでしまうぞ」同室の将校達は、
奇声をあげて、非常梯子の滑り金棒に飛びつくと吾勝ちに、第一|甲板の方を目懸けて、....
「海底大陸」より 著者:海野十三
を開いて物を見ようと思った。 さっき、たばこに火をつけようとしたとき、ギャッと
奇声をあげ、ピチャピチャと足音をたてて逃げだしたのは何物だったろう。それから、テ....
「海底都市」より 著者:海野十三
だけが人類じゃない」 返事とともに怪物群は、一せいに頭部《とうぶ》をゆすぶって
奇声《きせい》を放った。それはあざけりの笑い声のようにひびいた。 「僕には信じら....
「火星探険」より 著者:海野十三
に乗せてやると、火星人たちはますます上機嫌になった。彼等は箱の上に鈴なりになり、
奇声をあげてわめきさけび、周囲で見物している彼等の仲間と呼びあって大よろこびだっ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
や裁判が遅すぎると非難ごうごうたるものですからなあ」 大寺警部はいよいよ独特の
奇声をふりしぼって不満をぶちまける。 長谷戸検事はようやく立上った。ポケットか....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
扉は、いまにも叩き割られそうである。 私は、自分でも、なんだかわけのわからない
奇声を発して、とび起きた。 扉は、めりめりと、こわれはじめた。 「もしもし、今....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
、あの小うるさい宇宙線も、完全に遮断されてあるのであった。 天井裏のブザーが、
奇声をたてて鳴った。 「ほい、また来客か。こう邪魔をされては、研究も何も出来やせ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
もう覚悟をきめた。
耳元では、例の通り、ひゅうひゅうぷくぷくと、火星の生物が、
奇声を出しながらしきりに騒いでいた。
しばらくして新田先生は、とつぜん呼びかけ....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
桟道一杯になって大く目に入ったと思召せ。村長の爺様が、突然|七八歳の小児のような
奇声を上げて、(やあれ、見やれ、鼠が車を曳いて来た。)――とんとお話さ、話のよう....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
渋茶茶碗を持ったまま、一ツ撮もうとした時であった。 「ヒイ、ヒイヒイ!」と唐突に
奇声を放った、濁声の蜩一匹。 法師が入った口とは対向い、大崩壊の方の床几のはず....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
と馬鹿調子のどら声を放す。 ひょろ長い美少年が、 「おうい。」 と途轍もない
奇声を揚げた。 同時に、うしろ向きの赤い袖が飜って、頭目は掌を口に当てた、声を....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
で逸し去らんとするものの如く、綸の弾力部を全く引き尽して、また余力を存せず、屡、
奇声を発す。されども、暗中ながら、綸を紊すことも無く、力に従いて相闘いしかば、三....